2012年01月01日18時08分掲載  無料記事
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アジアの時代を予感させる米パロディ短編映画監督フレディー・ワン  

  ユーチューブに2つのチャンネルを持つ中国系アメリカ人の映画監督フレディー・ワン(Freddie Wong)。その映像はハリウッド製の戦争アクション映画やカンフー映画をパロディにしたもので、20代のワン監督自身がコミカルな演技を繰り広げている。どこにでもいそうな東アジア人の風貌で、特段ハンサムと言うわけでもないが、どこか憎めないキャラクターである。その映像の多くが数百万アクセスを記録しているように、一定の人気を誇っているようだ。http://www.youtube.com/user/freddiew/featured 
  戦争ごっこというパロディは昔、ゴダールに狂った映画青年たちにも見られたが、ワン監督の場合は卓越した演出力とVFXの確かな技術を持っているところが違っている。といはいえ、そうした技術を駆使しながらも、緊迫したシーンで間抜けな失敗をしてしまう純情な青年を演じている。その1つ1つの作品自体はもしかしたらどうということのないパロディ作品かもしれないが、ワン氏には一度見たら二度と忘れられない存在感がある。その映像を見ていると、アジアの時代という言葉がリアリティを持って感じられてくる。 
 
■「ロケットジャンプ」 
http://www.youtube.com/watch?v=7XzdZ4KcI8Y&feature=fvst 
  コンピューターゲームの世界と現実の戦争をリンクさせた短編である。深刻なシーンであるはずだが、ユーモアが漂う。これは現代文明批判でもあるように感じられる。 
  ワン監督の作品にはコンピューターゲームをモチーフにした作品が多数ある。「Minecraft Massacre」は家庭でゲームにのめりこんでいた女性がゲームオーバーになる。その怒りによって想像の世界の中で、エイリアンたちに向けて機関銃を乱射して皆殺しにする。 
http://www.youtube.com/watch?v=uPFD2PVtKQE&feature=related 
■「特大の銃」 
http://www.youtube.com/watch?v=t6CXAaI1OAo&feature=fvsr 
  アメリカの若者たちが「特大の銃」の特売に出会い、さっそく買い込んで熱狂する。 
 
■「Over9000」 
http://www.youtube.com/watch?NR=1&feature=endscreen&v=LHqEwIadhO8 
  ドラゴンボールの世界をワン監督などリアル世界の人間が演じる。 
 
■フレディー・ワン氏のブログ 
http://www.freddiew.com/ 
  どうすれば成功できるかについて語っている。 
  <観客を退屈させない術は5分の中身しかない映像であれば5分のラニングタイムの作品にすべきである。それを10分にしたら退屈になる。>などといった実制作で経験したことを語っている。 


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