2012年01月24日22時07分掲載
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社会
独裁者を支えたインターネット監視技術は米仏の企業が提供
今月発行のフランスの月刊評論誌「ルモンド・ディプロマティーク」にインターネット監視技術に関する記事が出ており、興味深い内容だ。記事はジャーナリストのアントワーヌ・シャンパーニュ(Antoine Champagne)氏による「Surveillance <> sur Internet(インターネットの高度の監視術)」である。
カダフィ時代のリビアやシリアでは今も使われているインターネット監視技術を提供したのは複数のフランス企業だったと書かれている。独裁者たちは欧米企業が開発提供したインターネット監視技術を使って反政府勢力を摘発していた。その技術はDPI(Deep Packet Inspection)と呼ばれている。インターネットで通信する場合に、無数の中継地点を経由して情報が次々と送られていくが、このしくみを使い、中継地点で情報を盗み見、時には改ざんすることもできる。その技術がDPIだとされる。
一方、米企業で開発されたDPIシステムによるインターネット監視装置はムバラク時代にエジプトに導入されたという。
現在、「テロとの戦い」を行っている米当局には様々な企業が監視技術の売り込みに殺到しているという。この10年間はいかに膨大な通信の中から、「テロリスト」を探知し、監視するかに重点が置かれているという。
ルモンド・ディプロマテーク誌には詳しく情報が書かれている。ちなみにこの記事は以下の媒体などを参照したとされている。
*カナール・アンシェネ紙(2011年10月12日)「カダフィを支えた秘密兵器」
*ウォールストリート・ジャーナル(2011年8月30日)「リビアのスパイを支えた企業」
*ウィキリークス(2011年12月1日)「スパイ・ファイル」
など。
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