2012年02月12日18時23分掲載  無料記事
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経済

「欧州は新しい貧困と共生しつつ再建を」とマハティール元首相

  欧米批判の急先鋒として知られてきたマレーシアのマハティール元首相が、英国BBC放送のワールド・サービス「ビジネス・デイリー」のインタビューで、債務づけになったヨーロッパ諸国に対するアドバイスを求められ、新たに見出された貧困と共生するよう勧告した。(クアラルンプール=和田等) 
 
 マハティール元首相は、「ヨーロッパは多くのお金を失い、その帰結として貧しくなったという新たな経済の現実に向き合い、通貨危機を乗り切ってきたアジアの教訓にならわなければならない。さもなければ、ヨーロッパ地域のソブリン(通貨、国債などを指す)債務危機を長引かせる危険性にとらわれることになるだろう」と警告した。 
 
 元首相はまた、「ヨーロッパ諸国が現在直面する状況は、紙幣をどんどん印刷することで解決することはできない」として、銀行の帳簿上で数字だけを動かすような金融部門的なやり方に依拠するのではなく、ものを作り出し、サービスを提供し取引するという実質的なビジネスに回帰すべきである。こうした実質的な取引にしっかりした足場を築けば、自ずと正当なお金が生みだすことができるようになるのだから」と欧州諸国に向けて持説を訴えた。 
 
 さらに「ヨーロッパの経済再建への道のりは長く、辛いものになるだろうが、その間、ヨーロッパが新たに生まれた貧困と共生しつつ、世界にものを生産しサービスを提供する能力を再構築するまでには何年かの歳月を要するだろう」との厳しい見方を示した。 
 
 最後に元首相は「欧州諸国がアジアの通貨の価値を投機的手法によって下落させたおかげで、アジアの人々は一時的に非常に貧しくなった。その時に欧州諸国から厳しいメッセージを受けた。しかし、今になってその結果がどうなったかをよくみるべきだ」と指摘、「私のメッセージは欧州にとっては飲み込むのがむずかしいものかもしれないが、私たちはお互いに学ぶことが必要だ。私たちは以前はヨーロッパ中心主義的スタンスをとっていたが、今はもう少しアジア中心主義的スタンスにシフトしていくべきだと思う」との考えを示した。 


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