2012年03月05日03時23分掲載  無料記事
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検証・メディア

NHKが英ロイヤル・テレビジョン協会が選ぶRTS審査員賞を受賞

 英国のテレビ界の団体、ロイヤルテレビジョン協会(RTS)は、毎年、英国内外の優れたテレビ報道を選定し、これを数々のRTS賞として発表している。先月末、2010-11年度の各賞が発表された。(ロンドン=小林恭子) 
 
 最優秀ジャーナリスト賞は、「アラブの春」など海外の事件を報道した、スカイ・ニュースのアレックス・クローフォード(女性)が受賞した。彼女は4年連続の受賞である。リビア報道も優れており、特に「カダフィ大佐が自国民を攻撃している証拠を最初にスクープ」するなど、数々の勇気ある報道が高く評価された。 
 
 最優秀チャンネル賞はアルジャジーラ英語チャンネルが獲得。やはりアラブの春での圧倒的な報道がほかと差をつけたようだ。 
 
 スクープ賞、国内の最優秀時事報道賞、若いジャーナリスト賞を取得したのが、BBC1という、BBCの基幹テレビチャンネルで放送された、時事報道番組「パノラマ」及びジャーナリストのジョー・ケーシーであった。制作チームは、ある養護施設でいかに患者が手荒く扱われているか、その虐待ともいえる状況を隠しカメラで捕らえ、これを「パノラマ」で放映した。 
 
 独立部門賞は、ITN/チャンネル4で放送されたクリップを作った、ジャマール・オスマンが受賞。オスマンは政治混迷が続くソマリアで、オリンピック出場を目指す人々を追った。 
 
 最優秀報道番組賞は、BBC2で夜10時半から放映される、ニュース解説番組「ニューズナイト」が取得。 
 
 そして、審査員賞はNHKに与えられた。その受賞理由の説明を抜粋すると、昨年3月11日、大きな地震が日本を襲うと、NHKは「数分で中継のストリーム放送を開始し、NHKの報道チームが目撃者の証言を集め」、津波がやってくることを該当する地域の人に伝えたという。14機のヘリコプターと70台の衛星用トラックを使い、NHKは「巨大な津波がやってくる様子を生中継で伝えた」。 
 
 「NHKには地震の際の緊急体制」があったものの、それでも実際に地震が起きると、大変な仕事であった、世界中の放送局がNHKから画像を取ることができた、「空から、しかも生中継で、津波の全威力の画像を放送するのは、私たちにとって初めてであった」。 
 
参考: プレスリリース http://www.rts.org.uk/rts-television-journalism-awards-2010-2011 
 
(ブログ『英国メディア・ウオッチ」より) 


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