2012年03月13日06時37分掲載
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オリンパス元社長による日本の新聞批判とは
朝日新聞が出している月刊メディア雑誌「Journalism」の3月号に(私も1つ原稿を書いているが)、興味深い記事がいろいろ出ている。データジャーナリズムに関する詳しい記事(小林啓倫氏著)も興味深いが、私にとっての目玉は、朝日・奥山俊宏記者が書いた、オリンパスの元社長による、日本の新聞批判である。(小林恭子)
オリンパスの損失隠しを最初に書いたのは、月刊誌「FACTA」であったという。これが2011年7月。それ以降、日本のマスコミはこれについてずっと書かないまま。英訳記事を手にした当時の社長ウッドフォール氏が、ここに書いていることは「事実なのか?」と菊川会長(当時)に聞いたことがきっかけで、一連の大きな動きが起きる。
社長職を解任されたウッドフォード氏が、損失隠しに関わる資料を持って、内部告発をしようと思ったとき、声をかけたのは、日本のメディアではなく、英フィナンシャル・タイムズだった。金曜に記者と会い、翌土曜日には1面の記事となった。奥山記者はウッドフォード氏と、日本の新聞が何故、FACTA報道後に書けなかったのか、日本のメディアの問題点などを議論しあう。これが1つの記事になっていて、その後、記者はFTの記者とも会って、どのような経緯で資料を受け取り、すぐに報道できたのかを探る。
日英の新聞報道の違いが垣間見える2つの記事だ。奥山記者が「何故、日本の新聞がほかのメディアを引用して書けないのか」を説明するところが面白い。1つには名誉毀損があるからだという。いろいろ、考えさせられた。どこかで入手されたら、ご一読をお勧めしたい。(ブログ「英国メディア・ウオッチ」より)
朝日「Journalism」 http://publications.asahi.com/ecs/66.shtml
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