2012年05月23日15時07分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】電気は足りる(2)「昨年東京並み」ならばまったく停電も起きないし逼迫もしない 山崎久隆
河野太郎衆議院議員の「ごまめの歯ぎしり 2012年4月28日号 原発再稼働についての細野大臣の発言等に関する質問主意書への答弁書」から引用する。関西電力によれば、平成22年夏の最大電力3095万キロワットの値から百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は30時間であり、二百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は107時間であり、三百万キロワット以内にとどまる値が記録された時間は188時間である。
http://archive.mag2.com/0000006653/index.html
以上は経済産業省の回答だ。
言い換えるならば、昨年実績通り電力を使用した場合、その時の供給能力が2995万キロワットならば30時間、2895万キロワットならば107時間、2795万キロワットならば188時間ほど停電の可能性があるということになる。
さらに数字を単純化するならば、当初3080万が関電による最大消費量予想量、それに対する供給能力が3000万だと30時間、2900万だと110時間、2800万だと190時間の不足時間が生ずる可能性があることになるが、実際今年のピーク想定は修正後は2780万キロワットなので、全体の約9%弱の時間が超過する可能性があるということになる。その超過分を埋めるためには、半分は節電、半分は他社供給と考えれば、節電目標は7%で良いことになる。全部を節電としても14%で回避できる。ここでは5%の供給予備を見込んでいる。
東京電力管内で昨年夏に取り組まれた節電はピーク時で実質18%だから、「昨年東京並み」ならばまったく停電も起きないし逼迫もしない。
昨年夏、とうとう東電管内で電気予報は90%を超えなかったことを思い出して欲しい。
さらに追加で起動できるガスタービン発電機の追加設置(昨年東電が130万キロワット分準備した)とか、自家発からの追加買い上げとか、いろいろな手立てをしていたがそれで集めた合計5460万キロワットに対して最大需要は4922万キロワットにとどまった。さらに津波などで被災した東北電力に対して8月10日を挟む8日間にピーク時170万キロワットなどを融通することもできている。
ちなみに、電力消費量というのは気温が上がれば無制限に上がるというわけでは無い。東電ならば、何の制約も無く使ったとしても最大ピーク時で6000万キロワットを超えることは最早ないだろう。同様に関西電力も、3100万キロワットを超えることはもうない。
電気代は原発事故が無くても十分高かったし、省エネ、省資源は今では誰もが取り組むルールになっているし、省エネ家電などの普及で電気の無駄遣いをしていても消費量が跳ね上がるようなことはない。
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