2012年05月30日00時47分掲載  無料記事
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米国

ユタ州に米国民監視センターが?   「デモクラシー・ナウ!」で紹介

  エイミー・グッドマン氏が司会しているアメリカの報道番組「デモクラシー・ナウ!」で今、テーマにあがっているのが<国民に対する監視>だ。番組に登場するのが元NSA(National Security Agency)の職員、ウイリアム・ビニー(William Binney)氏。http://www.democracynow.org/2012/4/20/exclusive_national_security_agency_whistleblower_william 
  番組サイトによると、ビニー氏は30年以上、NSAにつとめた人物だが、2001年の同時多発テロを機に辞職している。ビニー氏は辞職後、NSAの個人情報の集積はあまりに巨大になっており、アメリカはジョージ・オーウェルが警告した全体主義国家(オーウェリアン・ステート)になる可能性があると内部告発を行っている。 
 
  ビニー氏によれば、NSAはユタ州ブラッフデール(Bluffdale)に、全米最大のスパイセンター(監視センター)を構築しつつある。米国民のeメールや携帯電話、グーグル検索などのデータがそこに集められるとされる。 
 
  さらに問題になっているのは今、上院でFISA(Foreign Intelligence Surveillance Act )という法律をさらに5年間、延長する法案が審議されており、可決も間近のようだ。FISAが延長されれば令状なしに個人の通信をモニターする権限が当局に与えられる。FISAは放っておけば今年年末に期限切れになるそうである。 
 
  このFISAという法律は1978年に施行された。FISAは当初は個人の通信を盗聴するためには裁判所の許可を得ることを要求していた。ところが2001年9月の同時多発テロを受けて、テロ対策のためには裁判所の許可を得ないまま盗聴を行うことが普通になっていった。しかし、2008年にFISAを修正し、公式に裁判所の許可なしに捜査当局の判断で盗聴ができるようになったとされる。これがFISA Amendments Actである。オバマ氏は当時、上院議員だったがこの修正法案に賛成票を投じたとされる(ニューヨークタイムズ)。 
 
  こうした盗聴捜査の対象に、ジャーナリストやさまざまな団体の活動家も含まれると考えられている。彼らの通信が傍受されることで報道上の秘密事項や活動自体も当局の目にさらされることになり、支障を来す可能性がある。だが、その対象はテロリストやジャーナリスト、活動家に限られるものではなく、どんな米市民でもいったん何かの嫌疑をかけられれば捜査令状なしに通信を盗聴される可能性がある。http://www.democracynow.org/2012/5/24/senate_advances_expanded_orwellian_govt_surveillance 


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