2012年06月02日11時43分掲載
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人類の当面する基本問題
スイスで自殺ほう助が増加
APによると、スイスで自殺ほう助が増加している。現在、死者数の0.5%を占める。スイスの公式発表では1998年に3件だったが、2009年には300件に増加した。その90%以上は自殺者が55歳以上のケースで、女性の方が男性よりも希望者が多いとされる。
スイスでは自殺ほう助は合法とされており、さまざまな団体がカウンセリングや医療技術の支援を行っている。ドイツなど、海外からの自殺旅行者も少なくない。APの記事で女性の希望者が多いとの情報だが、女性の方が男性よりも高齢まで生きる現実があるようだ。
スペインの人気俳優、ハビエル・バルテムが主演した映画「海を飛ぶ夢」(Mar adentro)でも自殺ほう助を希望する人の生きる尊厳がテーマにされていた。事故で四肢が動かせなくなってしまった主人公は長年寝たきりの日々を送り、わずかに動かせる口を使って話すか、パソコンに思いをつづることができるだけだ。この映画の特徴は主演のバルテムが終始一貫してゆるぎなく自殺を求めていることである。そして、最後は知人の支援を得て自ら薬剤を注射する。その最期の姿を自らビデオの前で明かすのである。
自殺ほう助の問題は世界で高齢化が進む先進国で今後ますます大きなテーマとなっていくに違いない。
■「海を飛ぶ夢」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E3%82%92%E9%A3%9B%E3%81%B6%E5%A4%A2
「『海を飛ぶ夢』(スペイン語: Mar adentro, 「内なる海」の意)は2004年製作のスペインの映画。25歳の時に頸椎を損傷し、以来30年近くものあいだ全身の不随と闘った実在の人物、ラモン・サンペドロの手記『地獄からの手紙』(西: Cartas desde el Infierno; 1996)をもとに、尊厳死を求めて闘う主人公を描いたドラマ。」(ウィキペディア)
http://www.newline.com/properties/seainsidethe.html
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