2012年10月26日11時31分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】インドの原発反対運動(中)国際連帯で原発輸出を止めよう  山崎久隆

 日本はインドとの間で原子力協力協定を結んでいる。本来は核拡散防止条約外で核兵器を開発した国とは、核開発協力はしてはならないはずだ。例えば朝鮮民主主義人民共和国に核兵器開発に使用可能な工業製品を輸出すれば、貿易管理令違反として強制捜査される。ところがインドとの間では、これから核開発の協力関係を結ぶのだと言うから、この国の二重基準には本当にあきれ果てる。 
 
 日本経済新聞には、クダンクラム原発反対運動に取り組む社会活動家のA・ムスクリシュナン氏の言葉が紹介されている。 
 「インド政府は太陽光や風力など原発以外の選択肢を考えるべきだ。他国も原発を売り込まないでほしい」また、野田佳彦首相に送った公開書簡には「あなた自身が福島の被害で苦労しているなか、他国にその危険な技術を売る道徳的な正当性はない」と書かれていた。 
 
 その日本では、福島原発事故調査を行った国会事故調は報告書で事故を人災とし、次のように指摘している。「秘密主義や、国民の疑問を政府が無視していたこと、原発を規制する者と原発を運転する者が癒着していたことなど日本特有の事情によってもたらされた面がある。」 
 
 インド政府は日本政府と同様、情報を隠ぺいし、市民の抗議を弾圧し、たった3名の海外からの支援者を「国外退去」にし、一方で原発拡大路線を突っ走っている。これは第二、第三のフクシマをインドで引き起こす準備をしていることに他ならない。 
 
 世界のどこであろうと、フクシマやチェルノブイリ原発事故級の事故が起これば、深刻な地球被曝につながることは、とっくに実証済みだ。 
 これを止めるためには、国際連帯の力で止めていくほかはない。 
 「脱原発依存」と言っておきながら原発輸出をまだ続けようとする日本政府に対しても、強く反対の声を上げていかなければならない。 
 
(続く) 


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