2012年10月29日02時21分掲載  無料記事
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検証・メディア

NYTがオバマ大統領再選を推す

  ニューヨークタイムズ紙が2012年の大統領選でオバマ大統領の支持を打ち出した。そのウェブサイトには代々、ニューヨークタイムズ紙が大統領選挙の年に推してきた候補者の肖像が並べられている。http://www.nytimes.com/interactive/2012/10/28/opinion/presidential-endorsement-timeline.html?ref=sunday 
  これを見れば近年、ニューヨークタイムズは基本的に民主党支持なのだということがわかる。だが、過去には共和党候補者を推す年もあった。1940年には民主党のフランクリン・D・ルーズベルト大統領の三選を否定するかのように、共和党候補者のウェンデル・ウィルキー候補を、1948年には共和党候補者のトマス・デューイを、1952年と56年には共和党候補者のアイゼンハワーを推薦している。 
 
  さらにもっとさかのぼって南北戦争当時に行くと、1860年と64年の選挙には共和党候補のエイブラハム・リンカーンを推薦している。この頃はむしろ共和党支持だった。 
 
  そして、今年激戦が続く米大統領選でニューヨークタイムズはオバマ再選を支持している。10月27日の論説欄には「オバマ再選を」と題する社説が掲載されている。そこにはオバマ大統領の業績を讃え、ロムニー候補が大統領になった場合にいかなる不都合が生じるかが列記されている。 
 
  テレビの3回のディベートが行われる前の調査ではオバマ大統領のリードが固まるかに見えたが、第一回のディベートでロムニー候補が再び株を上げ、大統領選は大接戦の様相を呈し始めた。ニューヨークタイムズはそれについて次のように社説で書いている。 
 
 「私たちは過去4年のあいだ、オバマ大統領が下した個々の政策の短所を批判してきた。また、オバマ大統領が政治の場で戦っていないことに我慢できなかった。しかしながら、その姿勢がディベートの惨憺たる初回の敗北を生んだことで、彼は選挙に勝つために党派的な闘争も辞さない捨て身の姿勢に立ち返った」 
 
  ニューヨークタイムズはオバマ支援のこの社説において、オバマ大統領に対する民主党共和党を問わない米国民の不満を示し、前回の選挙の時の高揚感を失わさせた理由はオバマ大統領が「戦いを避ける」受け身の姿勢だったと厳しく批判している。そして、その受け身の姿勢、理想のための戦いをリスクを賭しても取らなかった印象のあるオバマ大統領はディベートの初回で、変わったというのである。オバマ大統領が実際に、チェンジしたかどうかはわからないが、もし再選されるなら、米国民の前でもっとアグレッシブな政治闘争を行うことが期待されることになるだろう。 
 
  ニューヨークタイムズはあたかも、捨て身になったオバマ大統領であるかのように、ロムニー候補の掲げる政策をこれでもかと批判しているのである。 
http://www.nytimes.com/2012/10/28/opinion/sunday/barack-obama-for-president.html?pagewanted=1&_r=0&ref=politics 


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