2012年11月11日10時02分掲載
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世界経済
大企業による寡占状況はさらに進行 5社が全米資産の56%を所有
競争的市場資本主義の行き着く先は、寡占であることは、理論的解析を待つまでもなく明白である。それは、こうした競争をさらに優先するいわゆる新自由主義で加速されている。世の中には、こうした動きを批判することを、「陰謀論」として片付け、そんな意図は、こうした寡占を勝ち取る企業や個人にはないということになっている。しかし、現実はどうか。寡占状態がますます進行していることが、統計的に明らかになってきている。以下は、そのような解析の一つ(*)に基づく。(バンクーバー・落合栄一郎)
世界中の4万3千の多国籍企業のうち、1318社が、世界全体の収入の80%を得ている。さらにこのうちの147社が、多数の企業を統合していて、多国籍企業の40%を掌握している。
トップ50社には、 Barclays Plc (#1), Capital Group Companies Inc (#2), FMR Corporation (#3), AXA (#4), State Street Corporation (#5), JP Morgan Chase & Co. (#6), UBS AG (#9), Merrill Lynch & Co Inc (#10), Deutsche Bank (#12), Credit Suisse Group (#14), Bank of New York Mellon Corp (#16), Goldman Sachs Group (#18), Morgan Stanley (#21), Société Générale (#24), Bank of America Corporation (#25), Lloyds TSB Group (#26), Lehman Brothers Holdings (#34), Sun Life Financial (#35), ING Groep (#41), BNP Paribas (#46), などがある。
アメリカでは、JP Morgan Chase, Bank of America, Citigroup, Wells Fargo, and Goldman Sachs Groupの5社が、2011年末に、8.5兆ドルの資産を有し,これは全米資産の56%に相当する。この数値は、2007年には、43%であった。
2011年12月、クリントン政権での財政副長官(ロジャー・アルトマン)は、「金融市場は、グローバルレベルの超政権である」と強調した。「この超政府は、通常の政治ではできないような、不都合な政府を覆すこともする。そして、政府に緊縮財政を押しつけ、一方、金融業は救済する。彼らは、IMFなどの組織よりも上位にあり、核兵器を除いて,全世界でもっとも強力な勢力になった」。これは、現在のユーロ圏(ばかりではないが)での財政危機の底流をなしている。
(* Andrew Gavin Marshall: http://www.alternet.org/world/no-conspiracy-theory-small-group-companies-have-enormous-power-over-world?)
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