2012年11月18日08時13分掲載
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米国
パネッタ国防長官がカンボジア入り 中国封じ込めを狙って軍事提携を周辺地域で次々と進める
第二期目に入ろうとするオバマ大統領は今、アジアツアーを企画しており、今週月曜と火曜はカンボジア入りする。それに先立って国防長官のレオン・E・パネッタ氏がカンボジア入りし、国防大臣のTea Banh氏と会談した。ニューヨークタイムズによる。カンボジアは元来、中国とつながりが深かったが、現在、カンボジア軍はテロとの戦いの名目で米軍による訓練を受けている。
米軍はカンボジアだけでなく、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、ブルネイの軍隊とも軍事訓練を共同で行うとしている。パネッタ長官はタイとも軍事提携を更新した。オバマ大統領は今週、ミャンマーにも入る。
カンボジアのフン・セン首相(Hun Sen、1951ー)はもともとは大量虐殺を行ったポル・ポトが率いていたクメール・ルージュ(カンボジア共産党)の指揮官である。フン・セン氏は後にクメール・ルージュの過激な政策を厭ってベトナムに亡命した。その後、ベトナム軍の支援を得てカンボジアに侵攻し、ポル・ポト軍を首都から追い払った。フン・セン氏は1998年から首相を担当している。
■パネッタ国防長官がオーストラリア、タイ、カンボジアを訪問
http://csis.org/publication/secretary-defense-leon-panetta-visits-australia-thailand-and-cambodia
このうち、オーストラリアとの提携はthe U.S.-Australian Ministerial Consultations (AUSMIN)と呼ばれ、ヒラリー・クリントン国務長官も交えて、パースで会談が行われた。パネッタ国防長官の今回のアジア訪問はアジア太平洋における米国の長期的戦略の練り直し、再構築と見られている。パネッタ長官はカンボジアのプノンペンではADMM(アセアン国防大臣会議)に出席した。
■レオン E.パネッタ(Leon Edward Panetta)氏
フランス語版ウィキペディアによると、1938年カリフォルニア州モンタレーに生まれた。カリフォルニア大学サンタクララ校で政治学と法学を修めている。1976年から1992年まで民主党からカリフォルニア州選出の下院議員になっている。
ビル・クリントン政権時代、1994年から97年まで官房長官(chef de cabinet de la Maison Blanche)をつとめた。さらに2006年には下院議員超党派10人によるイラク政策研究部会のメンバー(ベーカー・ハミルトン委員会)のメンバーに入っている。
オバマ政権が誕生直後の2009年1月5日にCIA長官に任命され、その後、2011年にロバート・ゲイツ国防長官がやめた後に国防長官の座に就いた。これに伴い、ペトラエウス将軍がCIA長官になった(がスキャンダルで最近辞任したばかり)。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Leon_Panetta
■グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)氏のブログ
レオン・パネッタ国防長官のイラク戦争に対する評価(亡くなったイラク人とアメリカ人の命に対する代償がこの戦争にはあったとする)に対して批判記事を書いている。何十万人にも上る無垢の人間の死を肯定する価値とはいったい何だったのか、とグレン・グリーンウォルド氏は問いかける。
http://www.salon.com/2011/12/19/panetta_iraq_war_was_worth_it/
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