2012年12月07日15時16分掲載  無料記事
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イスラエル/パレスチナ

【AIニュース】国連非加盟オブザーバー国家として歴史的承認を受けたパレスチナは国際法の下での義務が伴うことになる

 ニューヨークの国連総会で11月29日、格上げする決議案が賛成138票、棄権41票、反対9票で採択された。パレスチナは、国際刑事裁判所(ICC)が定めるローマ規程や他の人権と国際人道法の条約を批准する立場にあり、国際法の下での人権侵害や犯罪に対する責任と義務が重くなった。(アムネスティ国際ニュース) 
 
 その結果、人権侵害の犠牲者たちに司法正義を求める道が開け、自らの権利を要求する公的権限を得ることになる。 
 
 とくに、2008年から2009年にかけての、ガザとイスラエル南部での紛争で全当事者が犯した戦争犯罪、そして人道に対する罪を確実に国際的に裁く取り組みを前進させなければならない。 
 
 パレスチナは2002年7月1日以降の犯罪についてのICCの管轄権受諾を確言し、ローマ規程にすみやかに加入すべきである。また関連条約や協定にも加入すべきである。 
 
 2008年から2009年にかけての紛争の際に苦しんだ犠牲者たちは、司法正義を求めて余りにも長く待たされてきた。パレスチナは、司法正義の実現がさらに遅れないようにすみやかに行動すべきである。 
 
◆容認できない正義破棄への圧力 
 
 アムネスティ・インターナショナルは、英国や米国など数カ国がパレスチナの外交官たちに、国際法の下で犯罪に対する説明責任を果たすメカニズムを放棄させるようと働きかけたという報告を憂慮している。 
 
 犠牲者が受ける司法正義は、いかなる取引の対象にはならない。 
 
 先の紛争でイスラエルとパレスチナ武装グループが犯したとされる数々の国際人道法違反を考えれば、このような対応は常軌を逸している。 
 
 ガザの事実上の統治者であるハマスやイスラエルは、2008年から翌年にかけての紛争中の犯罪容疑について、迅速かつ独立・中立的調査を徹底して行ってこなかった。アムネスティはこれを強く非難してきた。 
 
◆イスラエルの集団的な懲罰は国際法違反 
 
 またとくに懸念されるのは、イスラエルが、パレスチナが国連により国家として認められたという理由で、パレスチナ自治政府に支払うべき金銭を棚上げにするという脅しである。 
 
 イスラエルによって人や物の移動が制限され、パレスチナの経済は既に締めつけられ、多くのパレスチナ人が人道援助に頼らざるを得なくなっている。 
 
 アムネスティはイスラエルに対してガザ封鎖を完全に解除するよう繰り返し求めてきた。この封鎖は140万人余りのパレスチナ人たちに対する集団的懲罰であり、明白な国際法違反だ。 
 
 金銭や資源を棚上げにすることは、人道状況を悪化させることになる。イスラエルが占領権力として集団的懲罰を行なうことは、国際法の下で禁じられているし、占領地に住む人びとの生活に対する責任がある。 
 
≪背景≫ 
 
 2009年1月、ガザとイスラエル南部における22日間の紛争後、パレスチナ自治政府は、ICC検察局が予備的捜査を行なえるようにする意図で、ローマ規程第12条第3項を引用した宣言書をICCに提出し、武力紛争中の国際法の下での犯罪についてICCの管轄権を認める声明を出した。 
 
 今年4月3日、ICC検察局は、関連する国連機関(特に国連事務総長と国連総会)もしくはICC締約国会議(ローマ規程を批准した121カ国で構成)が、パレスチナ自治政府を宣言書が謳う意味での国家だと決定しない限り、それらの犯罪の捜査と訴追を進めることはできないと結論した。 
 
 アムネスティは国連総会に対し、2008年-2009年のガザ・イスラエル紛争の調査団の報告書を国連安保理に付託するよう繰り返し要請してきた。そうすることで安保理は両者の犯罪を捜査するためICC検察官に状況を付託することを検討しうるのである。 


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