2012年12月18日02時03分掲載  無料記事
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「モダンノマドの日記」モーリタニアからマリに入る  アンドレイ・モロビッチ

  モーリタニアを南に下ってマリに入った。マリには不穏な空気が流れている。昨日もクーデターめいた騒動があったばかりだ。しかし、僕らは素敵で広々とした家を見つけることができた。 
 
  モーリタニアからマリに入るとき、モーリタニア当局から、この先で何が起きても自己責任であると書類にサインさせられた。実は前日、マリのDiemaでフランス人が誘拐されていたのだ。 
 
  僕と妻は夜のサバンナを車で走った。視界は悪く、案の定事故を起こしてしまった。妻は足首に怪我をし、現地の病院で手当てをしてもらった。幸いなことに、骨折ではなかった。しかし、治療に時間を要した。それだけではなかった。車の修理に金と時間が必要になった。さらに、マリの憲兵隊で粗雑な対応を受けた。憲兵隊は7人の男とピックアップトラックによる護衛を僕たちにつけ、金銭を要求してきた。しかし、僕たちは金を払わなかった。 
 
  僕らはできればDiemaは通りたくなかった。誘拐が起きていたからだ。そのため、Diemaにつくと、憲兵隊の庁舎の脇で夜を過ごした。憲兵隊事務所の入り口は大きく開かれ、兵士たちの大半は夜遊びに町に繰り出していた。僕らは車を誘拐されたフランス人のキャラバンの脇につけた。誘拐人たちはキャラバンは置いて、フランス人だけさらっていったのだ。僕と妻は夜通し憲兵隊の脇で夜を明かした。見張りの兵隊は眠そうだ。それで妻はこんなことを言った。「ここをアルカイダから守っているのは私達かしらね」 
 
寄稿 アンドレイ・モロビッチ 
翻訳 村上良太 
 
■アンドレイ・モロビッチ氏の著書 
http://andrejmorovic.wordpress.com/ 


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