2012年12月27日11時49分掲載  無料記事
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政治

【編集長妄言】坂本龍一さん  日の丸脱原発針谷大輔氏の著書の推薦は取り消された方がよいかと…  大野和興

 日の丸を掲げた脱原発右翼が、憲法九条守れと脱原発が結びつくことに警戒感をあらわにし、その代表格の針谷大輔統一戦線義勇軍議長が「占領憲法破棄、自主憲法制定!自衛隊解体、国軍創設!」とツイッターでつぶやいている。針谷氏の著書『右からの脱原発』には坂本龍一氏が推薦文を寄せ、「脱原発に右も左もない」と書いている。安倍内閣誕生で、憲法の平和的生存権は危うくなっている。針谷氏を推薦する坂本龍一氏は脱原発と憲法・平和的生存権は別物だとでもいうのだろうか。 
 
◆脱原発と国軍創設 
 
 右翼脱原発派のツィートのひとつのこんなのがある。 
「脱原発イコール9条守れ、国防反対の運動になってる事があちらこちらで目についてきた… せっかく大衆運動になってきた脱原発が一部の勢力に利用され再び 左翼運動に逆戻りするのか?気の毒なのはすっかり取り込まれた、純粋に立ち上がった人々だ 」 
 
 これを針谷大輔氏がリツィートして次のように書きこんだ。 
「占領憲法破棄、自主憲法制定!自衛隊解体、国軍創設!」 
 
 彼ら日の丸右翼は金曜日の官邸前脱原発アクションの常連でもある。そのリーダーが統一戦線義勇軍議長の針谷大輔氏で、2012年11月には『右からの脱原発』を刊行して意気が上がっている。この本に推薦文を寄せたのが音楽家の坂本龍一氏で、その中に次のような一節がある。 
 
「ああ、日本にも真の愛国者がいたか!」と、心の中で快哉を叫びました。坂本龍一 
 
 坂本氏の推薦文寄稿に対し、針谷氏はツィッターで次のような感謝の言葉を述べている。 
 
「坂本龍一さんの御厚意にはしっかりと応えて行きたいと思っている。2ページにも及ぶ推薦文を頂いた事により、緊急時に右も左も、思想なんて関係ない!と訴えて来た言葉が、しっかりと活字としてのイブキを得れたと思う。立地県からの注文が一番入っているそうなので効果は得れる事であろう。」 
 
◆従軍慰安婦を否定 
 
 統一戦線義勇軍は「自主憲法制定・国軍創設」をいうばかりでなく、従軍慰安婦問題も、その存在すら否定している。以下は、第一次安倍内閣の終了まじかの2007年に従軍慰安婦に対する日本国家の責任を否定した安倍首相に対し、米下院が本会議で非難決議したことに抗議して出した同義勇軍の声明の一部である。 
 
 
「去る七月三十一日、米国下院本会議において「従軍慰安婦非難決議」なる荒唐無稽極まりない決議が採択された。」 
「そもそも彼らの言う「従軍慰安婦」などというものは、歴史上に存在せず、希代の大嘘つきの吉田清治なる男の口から発せられた出 鱈目に対し、朝日、毎日をはじめとする左翼マスコミ、日教組、創価学会、民団、朝鮮総連をはじめとする反国家勢力、そして、これを外交カードとして利用せ んとする米国、韓国、中国、北朝鮮らが、何らの根拠も無く騒ぎ立てているだけのものである。」 
平成十九年八月二日  統一戦線義勇軍中央委員会 
 
 
 以下は聯合ニュースが伝える、発足したばかりの第二次安倍内閣の顔ぶれ。 
 
安倍内閣の新閣僚 過去に問題発言=慰安婦否定 
26日発足する安倍晋三内閣には旧日本軍従軍慰安婦や独島の領有権をめぐる問題で、過去に日本の責任を否定する発言をした新閣僚が多数起用された。 
文部科学相に決まった下村博文氏は、第1次安倍内閣の官房副長官だった2007年にラジオ番組で、従軍看護婦や従軍記者はいたが従軍慰安婦はいなかったと述べ、親が娘を売ったことはあったと思うが、日本軍が関与していたわけではないと発言。旧日本軍の関与を認めた1993年の河野談話を否定するもので物議を醸し、翌日に記者会見で「個人的な見解」と釈明した。 
国家公安委員長と拉致問題担当相を兼任する古屋圭司元経済産業副大臣は今年5月に訪米し、ニュージャージー州に設置された慰安婦碑の撤去を要求した。 
総務相に内定した新藤義孝元経済産業副大臣と行政改革担当相に決まった稲田朋美元副幹事長は昨年8月、韓国の独島支配強化実態を調査するとして鬱陵島訪問のため、金浦空港から韓国に入国しようとしたが入国を拒否された。 
副首相兼財務・金融担当相に内定した麻生太郎元首相は2003年5月、「創始改名は朝鮮人が望んだ」と発言した。 
自民党の政調会長に任命された高市早苗元少子化担当相はテレビ番組で日本の中国侵略について「自衛のための戦争」と述べた。(2012.12.26聯合ニュース) 
 
 
坂本龍一さん。針谷大輔氏の著書の推薦は取り消された方がよろしいですよ。こういうのを「ミソもクソも一緒」というのです。 


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