2013年01月14日13時14分掲載  無料記事
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難民

ロヒンジャー難民約700人を拘留、ビルマに送還へ タイ当局

  タイ警察は1月上旬、マレーシアの国境に近いタイ南部でロヒンジャー(ロヒンギャ)難民約700人の身柄を拘留した。警察は、逮捕した難民の身柄を出入国管理局に引き渡し、ビルマ(ミャンマー)に強制送還する方針という。(クアラルンプール=和田等) 
 
 警察は今月、2回の手入れを行い、8日にサダオで300人以上、10日にパダン・ブサールのゴム・プランテーションで、子ども14人と女性8人を含むロヒンジャー難民393人が不法入国の容疑で逮捕された。 
 
 タイ当局は1月初めにもプーケット島沖を漂流していたロヒンジャー難民73人が乗ったボートを発見したが、沖合に送り返し身柄の保護を拒否している。 
 
 ビルマ政府は主に同国西部のラカイン州(旧アラカン州)に住むロヒンジャー民族をバングラデシュからの違法移民であるとして自国民とは認めていない。またバングラデシュ側も同民族を自国民として扱っていないため、無国籍状態におかれたまま。 
 
 国連は、ロヒンジャー民族を世界で最も迫害を受けている少数民族のひとつにあげているが、昨年6月以降にラカイン州で発生した仏教徒住民との対立による衝突で200人近くの死者が出るなど、生命の危機にさらされる状況が続いている。 
 
 こうした中、国連の推計によれば、2012年にビルマやバングラデシュから国外に脱出したロヒンジャー民族を中心とするボート難民は約1万3000人を数えるが、この数字は前年を大幅に上回る。とくにモンスーンが終わる10月以降のボート難民の流出が急増、1万人に達したとみられている。 
 
 これに対して近隣国のタイやシンガポールはロヒンジャー難民の受け入れを拒否、バングラデシュもビルマとの国境を閉鎖し脱出路を遮断するなど、ロヒンジャー難民に対して冷淡な態度をとっている。近隣国の中で唯一ロヒンジャー難民を受け入れているのがマレーシアだが、「マレーシアではすでにロヒンジャー難民を8万人受け入れており、わが国だけで同難民を引き受けるのには限界がある」(アニファ・アマン外相)との悲鳴にも似た声があがっており、国際的関心が高まらない中でロヒンジャー難民の窮状に光が射す兆候は見えていないというのが現状だ。 


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