2013年01月16日19時34分掲載
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アフリカ
仏軍マリ侵攻の背景にウラン鉱山か
先週末からフランス軍がマリ北部に侵攻し、同地を10か月間にわたって占拠しているイスラム原理主義勢力の一掃を目指している。しかし、「デモクラシー・ナウ!」によると、空爆によって市民11人が死亡、その中には子供3人が含まれているという。
http://www.democracynow.org/2013/1/15/admin_aids_french_bombing_of_mali
フランスはマリ北部と隣接するニジェール北部に利害関係を持っている。ウランに富んだ土地があり、安い価格で(安い労働力)でウランが入手できることだ。原発大国フランスにとって、そこには巨額の金がからむ。故サダム・フセインがウランを買おうとしたという(結果的に誤った情報だったが)のがニジェールだった。
■トゥンブクトゥの霊廟が破壊される・マリの紛争(昨年7月の記事)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201207030304042
最近の英字新聞の記事でマリ北部を制圧しているイスラム原理主義勢力Ansar Dineはトゥアレグ族の勢力だと言うような表現を見た記憶があるが、昨年7月のニューヨークタイムズでは明らかにAnsar Dineはトゥアレグ族を裏切った別の勢力との認識を示している。その根拠は以下の記載である。
’Ansar Dine has gained the upper hand over the less well-armed Tuareg separatists since an alliance between the groups frayed after they had joined forces to rout government troops and seized control in April of the northern two-thirds of Mali. ’
そしてこのイスラム原理主義勢力であるAnsar Dineに加えて、アルカイダ系のアキムというグループがマリ北部の制圧に関与していると報じられている。フランス軍出動の理由が「テロとの戦い」となっているように、マリ北部とニジェール北部にはウラン鉱山があり、この地がテロリストの手に落ちることを避けようという狙いもあるようだ。
(注:毎日新聞によると、Ansar Dineはトゥアレグ族を中心にするイスラム原理主義勢力で、これに対してMNLA(アザワド解放国民運動)はトゥアレグ族の世俗派のようである。そしてクーデター時には互いに協力していたものの、やがて世俗派のMNLAがイスラム原理主義勢力によって駆逐されてしまったようだ。そして、さらにアルカイダ系のアキムも入り込んでいる。)
■アラブの春、トゥアレグ族、マリ政変(昨年4月の記事)
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■現代の遊牧民「モダン・ノマドの日記11」 アンドレイ・モロビッチ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201207282216506
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