2013年01月31日21時13分掲載
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中国
【AIニュース】アムネスティ、夫の暴力に苦しみ殺害した女性の死刑執行停止を求める
長期にわたり夫の暴力に苦しんだ女性が、夫を銃で撲殺してしまい、死刑判決を言い渡された。その死刑が執行される可能性が高まってきた。アムネスティは、中国当局に対し、死刑執行を止め、懲役刑に減刑するように求めた。(アムネスティ国際ニュース)
李彦(41歳、四川省)は2010年末に、夫の譚勇を殺害したとして、2011年8月、死刑判決を受けた。北京の最高人民法院は、今年1月中旬に李彦の死刑判決を承認した。今年2月上旬の中国の正月までに執行される可能性がある。
彼女は現在、四川省の安岳県拘置所に収監されている。
夫の暴力は、結婚した2009年初めごろから始まった。しばしば殴りつける、火のついた煙草を顔に押しつける、厳冬期に薄着のまま長時間ベランダに閉め出す、さらに手指を1本切り落とす、など妻に度重なる暴力を振るっていた。
妻は警察など当局に何度も保護を求めた。また、警察は殴打の痕が残る顔写真を撮ったものの、夫を聴取するなどの手を何も打たなかった。その結果、暴力は終わることはなかった。
裁判官らは、第三者の証言を含め妻への止まない虐待を示す証拠があるにもかかわらす、それらを考慮しなかった。これは非常に憂慮すべきことだ。
もし当局が、国際法に基づいて、適切に妻を保護していたら、悲劇的な結末は回避できた。申し立て調査し、暴力に訴える前に夫を起訴すべきだった。
家庭内暴力の被害者は、恐怖と孤立に追い立ててはならない。当局は、夫などによる女性に対する暴力を防止する義務がある。防止には、すべての申し立てを適切に捜査し、暴力を働いた者を起訴しなければならない。
当局には、この問題に早急に取り組み、弱者である女性に適切な支援と保護を提供する必要がある。
アムネスティは、犯罪の内容や犯罪者の特質、処刑方法にかかわらず、例外なくすべての死刑に反対する。
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