2013年02月13日17時59分掲載
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検証・メディア
グーグル・ニュースと戦う欧州新聞界 ―ドイツは仏のデジタル出版基金設置案には組せず
世界中のコンテンツ媒体から情報を集積して、独自のニュースサイトを作るグーグル・ニュース。新聞や雑誌などのコンテンツ制作側は、グーグルから対価を得る権利があるのではないだろうかー?そんな意識が強い欧州出版界では、昨年末から今年にかけて、グーグル側から一定の譲歩を引き出す事例が発生している。(ロンドン=小林恭子)
昨年12月、グーグルによる記事利用をめぐり、ベルギー新聞界とグーグルが合意に達した。
これによると、グーグルは記事を利用した際にベルギーの発行元や著者にお金の支払いはしないが、ベルギー側がそれまでの交渉に要した法律上の費用(500万ユーロ=約6億3000万円=といわれている)を負担し、「発行元の媒体にグーグルが広告を出す」という。
今月1日、グーグルはフランスの出版界と歩み寄りの姿勢を見せた。グーグルが6000万ユーロ(約75億6000万円)に上る「デジタル出版イノベーション基金」を立ち上げ、同国出版社の広告戦略を支援することになったのだ。
グーグルのエリック・シュミットCEOのブログによると、この基金は「フランスの読者のために、デジタル出版の開始を支援する」もので、「グーグルの広告テクノロジーを使って、フランスの出版社がオンライン収入を増やす」ように、協力関係を深めるという。
ベルギーとフランスの例では、「記事をリンクしたことに対価を払う」という形にはなっていないので、これに反対してきたグーグルにとっては方針を曲げなかったともいえるし、フランスやベルギー側は資金援助を引き出すことができたので、一定の成果が出たともいえる。互いに自己の主張を曲げなかったように見せながらの、玉虫色の結果となった。
一方、強気の姿勢を崩していないのがドイツだ。
ドイツ新聞発行社協会の広報担当者アンヤ・パスキー氏がニュースサイト「ザ・ローカル」に語ったところによると、フランスのようなグーグルとの和解策は拒絶するという。
パスキー氏は、フランス型の良い点は、「第3者が作ったコンテンツのアグリゲーションというビジネスモデルにはお金がかかるものだ」(ただではできない)ということが周知された点だという。
残念な点は、合意がグーグルとの間でのみ締結され、ほかのニュース・アグリゲーターには適用されるようになっていないことだ。
ドイツの国会では、著作権法の一部を強化し、ニュース・アグリゲーターが出版社が作ったコンテンツを利用するときに対価を払うよう、審議が続いている。
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