2013年04月27日13時40分掲載
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TPP/脱グローバリゼーション
【山田正彦メルマガから】TPPで緊急訪米!、カトラー代表補はコメなどの農産物にも聖域(例外)がないことを明らかにした
今回の訪米の最大の目的は自民党・安倍総理がオバマ大統領との会談で国民皆保険、遺伝子組み換食品の表示など6項目の分野、農産物でもコメ・麦・牛肉・豚肉・砂糖などの5品目についてセンシティブ品目として例外が取れるとしてTPP交渉参加に踏み切った。本当にそうなのかどうか?米国のUSTRにその点を確認することにあった。幸い、最終日の午後4時、USTRでカトラー代表補と会談することができた。
◆「TPP交渉に例外はない」
先ず、「いつ日本の交渉参加の通知を政府は議会に通知するのか」と切り出したら・・・
「近い将来、極めて近い将来だ」と笑っていたが、直後に携帯のスマートフォンを取り上げて「今、通知した」と述べ始めた。
こんなに早いと思っていなかったので私も驚いたが、「先日、日米の事前協議において自動車の米国側の関税は事実上据え置きだが、農産物などすべての品目、ルールにおいて(関税撤廃)のテーブルに乗せるとあって、それ以上は何も触れられていないが、農産物において何らかの担保はあるのかと」と聞いた。
「大統領と総理は2ヶ月前に共同声明を発表、その中で総理は与党の心配について話されたことは承知。またその声明では関税撤廃について“前提条件”はないということが確認された」と日本での報道とは全く異なることを述べた。
私はさらにたたみかけた。
「前回お会いした時にコメに例外が認められるかどうかと聞いたときに、例外は認められないとして、他の方法、即ちセーフガードや長期間の関税撤廃がありうると答えたが、今でもその立場に変わりはないのか」と聞いた。
カトラー代表補は「まさに先にも申し上げたポイントであるが、どの国もセンシティブ品目はあるが、除外せずとも長期間のステージやセーフガードを設けることが考えられる」と答えた。
私が「ということは、例外は結果としてないということか」と尋ねると、カトラー代表補は「その通り。TPPは交渉参加国及び日本を含むTPPに関心を有する国にはすべて包括的で高い水準の枠組みをすることをコミットしている」と述べた。
さらに、「これから90日間我々は議会、並びに利害関係者と集中的に協議を開始するが、率直に申し上げて我々にとっても厳しい期間になるだろう。日本のTPP交渉に反対するものもあり、我々としてもこの期間を深刻に受け止めている」と語った。
私はもう一つ大事なことを指摘した。
◆「米韓FTA以上のものを求める」
この2日間、米国議会の議員、補佐官に約20人はお会いしいろいろお聞きしたが、ほとんどの人がTPPは秘密協定であり透明性がない。アクセスできない、わからないという懸念を持っていた。しかし一部の議員にはその内容が分かるようになっていた。しかし米政府は議会がTPPを通すためにはすべての内容をオープンにすべきではないのか」
カトラー代表補は「米国では今では全ての議員がアクセスできるようになっている」と答えた。
「日本でもこれまで日米間の事前協議の内容を開示しろと要求したが、米国からの同意が得られないので公表できないと断り続けられてきた。安倍総理も国民に情報を開示すると言っており、7月に交渉参加すれば日本もテキストを入手できることになる。米国同様、日本の議員もすべては情報にアクセスできて、その内容を当然国民に開示すべきものだと思う。これまでのように米国が同意しないから開示できないということはフェアではない。日本は独立国だから米国側で情報開示を阻止することはないと思っていいか」と聞いた。
カトラー代表補は「交渉の透明性の問題は重要であり、それは我々も認めている。他の関係国も同様である」とはっきりと答えた。
前回のカトラー代表補との会談においても、私は「米国はTPPで日本に何を求めるのか」と聞いたとき、率直に「【米韓FTA】の内容をよく読んでほしい。日本にはそれ以上のものを求める」と述べている。
韓国はすでに63本の国内法の改正を進めている。ISD条項で損害賠償を要求されるので特区を設けて「国民皆保険ではなく自由診療が始まっている。米国の株式会社の病院も進出している。
これらの事情からしても、今回の訪米での米国通商代表部カトラー代表補との意見交換は私にとっては大変意義深いものであった。
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