2013年05月03日14時04分掲載
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コラム
【編集長妄言】ベリタ改憲阻止宣言 ベリタはその存在をかけて改憲阻止の旗を掲げる 大野和興
安倍自民党が改憲に前のめりだ。安倍首相のこのことにかける言動は異常なほどの高揚ぶりで、この 国は本当に危ういところに来ているという気がしてならない。
そういえば、靖国参拝で近隣諸国から批判されたさい、こともあろうにもっとも公的な場である国会で「脅かしに屈しない」といってのけたのにはびっくりした。国際関係への配慮は一国の首相のもっとも大事な仕事のはずなのに、これでは喧嘩を売ったも同然で、この人はどこかが切れておかしくなっているとしか思えない。その首相の袖を引っ張って、「あんた、行きすぎだとよ」といさめる人がいないところに、自民党の衰退と危うさがあらわれている。
その自民党の憲法草案はあまりにひどすぎて話にならない。天皇を元首にして、軍隊をもち、基本的人権や生存権を制限して、国家が国民を監視する。表現の自由は当然制限されることになる。人類が自由と権利を求めて築いてきた歴史を逆回転させ、戦前への復古をもくろむものとしかいいようがない。
今日の憲法記念日。読売新聞は1面から最終面まで改憲一色で埋まっている。社の方針はともかく、読売の記者のなかには苦しい人もいるだろうなと同情したくなる。東京新聞の社説はとてもいい。朝日、毎日も踏ん張った。地方紙は96条改正反対で足並みをそろえた。琉球新報の社説「憲法記念日 沖縄にも3原則適用を 要件緩和先行は姑息だ」は光っている。異常なほどの高揚で改憲前のめりの安倍首相の登場で、マスメディアがなんとか最後のところでジャーナリズムとして踏みとどまったというところか。
しかし、安倍へ安倍へとなびくがごとくのこのところのマスメディアの状況や、戦前・戦中の歴史を振り返ると、制度としてのマスメディアを最後まで信用できるかとなると、個人的にはとても心もとない。
そこでゲリラ・ジャーナリズムの出番となる。ベリタは有料読者とボランティア労役に支えられている独立メディアだから怖いもものは何もない。つぶされれば、またつくればよい。多くの民衆メディア、市民メディアが同じ気持ちだと思う。ここで改憲を許すことは、ジャーナリズムとしてのみずからの存在をみずから否定することになるからだ。ベリタはその存在をかけて改憲阻止の旗を掲げる。
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