2013年05月30日11時17分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201305301117084

コラム

新聞のテレビ欄 〜なぜある番組だけ色をつけるのか?〜  村上良太

  新聞のテレビ欄(業界ではラテ欄と呼ばれている)にはそれぞれの放送局の番組担当プロデューサーたちが苦心して書いた番組の売りが印刷されている。1つの番組の持つスペースは放送時間の長さに比例するわけだが、その限られた枠の中で何とか読者(視聴者)の関心を引くために担当者たちはしのぎを削っているのである。欄が小さく、字数が少なければ少ないほど言葉の選択は難しい。だからラテ欄は戦場でもあるし、株式市場のようなフェアを要する場で本来はあるべきだと思っている。 
 
  ところが最近、いくつかの番組だけが赤で色づけされていて、そこだけ放っておいても目に飛び込んでくる、という現象が起きている。本来フェアな戦いの場であるべきと思ってきたテレビ欄に異変が起きているのだ。 
 
  「なぜ特定の番組だけ色をつけるのか?」 
 
  ある大新聞社に電話で尋ねると、色を付けた番組は同じ紙面の外側に番組広告を打っているものであり、そのPRされた番組に色をつけているということだった。新聞社にしてみると金を払ってくれた広告主に便宜を図って何が悪い?という理屈である。つまり新聞社にとってみればラテ欄は単なる番組の告知欄であり、そこに平等は必要ないということなのだ。昨今、大新聞社のテレビ番組・テレビ業に対する報道にはいろんな点で疑問を抱かざるを得ないが、これもその一つである。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。