2013年06月02日09時31分掲載
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欧州
世界のベタ記事から〜ドイツ政府が高齢化したホロコースト生存者に支援金を拠出〜
ドイツ政府はナチ時代に行われたユダヤ人絶滅政策「ホロコースト」の生存者たちに向けて来年から4年間、総額8億ユーロを拠出することに決めた。生存者たちが高齢化しているからだ。対象者は世界中に散らばっており、ケアを受ける人は56000人に及ぶ。さらに、9万人が食糧、薬、そのほかの支給を受けることになるという。ホロコーストによる犠牲者は600万人に上る。西ドイツ政府が最初にそれを認めたのは1952年のことだった。(5月31日付、インターナショナルヘラルドトリビューンによる)
これはドイツ政府がホロコースト生存者への支援活動を行っているThe Conference on Jewish material Claims Against Germanyという団体と今年5月28日に取り決めた約束である。この団体のホームページによると、彼らの取り組みは古く、第二次大戦後の1951年に遡る。最初の行動は西ドイツ政府に補償を請求することだった。
ホロコーストによって生存者が受けた傷の治療や補償、ナチによって不当に没収された財産の返還、新たな住まいを確保するための資金その他、生存者が戦後を踏み出すための補償を交渉にとって勝ち得た。ドイツ政府は過去総額にして700億ドル(今日の1ドル=100円で計算して7兆円だが、為替の推移を考えればその数倍に上るだろう)を支払ってきた。さらにこの団体はドイツの産業界およびオーストリアの産業界にも拠金を求めた。
ベルリンの壁崩壊後の1990年には旧東ドイツからも補償を得るために交渉を行った。ヒトラーが首相になった1933年以後、ユダヤ人から没収された財産の補償である。これは動産と不動産に分けて交渉が進められた。これらによって10億ドル(1000億円)を生存者の支援金に充てたとされる。
■The Conference on Jewish Material Claims Against Germany
http://www.claimscon.org/
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