2013年07月03日00時12分掲載  無料記事
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中東

シリアの通貨戦争 〜年間インフレ率200%に=1年で物価が3倍に〜シリア・ポンドを支えるイラン

  シリアの内戦の裏で、シリア通貨であるシリアポンド(リラ)の価値が下落し続けている。ついに年間インフレ率が200%になったと、インフレに詳しい米ジョンズホプキンス大のスティーブ・ハンケ(Steve H. Hanke)教授が発表した。これが本当であればシリアの物価は1年で3倍になることになる。 
http://www.cato.org/blog/syrias-annual-inflation-hits-200 
  ハンケ教授が保守系シンクタンクのCATOインスティテュートから出している情報によると、シリアのアサド政権はシリアの通貨下落に立ち向かうため、アサド政権を支援するイラン、ロシア、中国の通貨であるリアル、ルーブル、人民元でのビジネスを活発にしつつある。さらにイランは毎月5億ドル相当の石油と必要なだけの食糧や石油製品などをアサド政権に供給して支える決定をしたという。シリアのKadri Jamil首相はこれらの措置はアメリカと英国によるシリア通貨(シリアポンド)つぶしに対抗する手段だと発表したという。 
 
  ちなみにハンケ教授の試算によると、シリアを支援しているイランも欧米の経済封鎖によって年率約105%(物価が1年でおよそ2倍に)の強いインフレに苦しんでいる。 


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