2013年07月03日11時26分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201307031126113
アフリカ
【西サハラ最新情報】 モロッコ王国はハシッシ王国 平田伊都子
モロッコ王国の北端にタンジェという哀愁を漂わせた港町があります。 高台に植民地時代の西洋風建物が残る中心街があり、斜面を下ったらヨーロッパへの出稼ぎ人で賑わう桟橋に行き着きます。 目の前に広がるジブラルタル海峡の僅か15km先に、スペイン大陸があるのです。 筆者が斜面の途中にある二つ星ホテル・マモラの窓から船着き場をぼんやり眺めていたら、突然、警察の車が坂を猛スピードで下ってきて、出航寸前の小舟に飛び乗りました。 「毎度お馴染み、麻薬密輸の捕り物騒動だよ」と、掃除に入ってきたメイドさんが教えてくれました。
(1)2013年6月28日、UNODC(UN Office on Drugs and Crime)国連麻薬犯罪事務局のユリー・フェドトヴ専務理事が麻薬とその密売に関する年次報告をした。 報告によると、相変わらずモロッコ王国が世界最大のハシッシ生産国で、耕地面積は47,500ヘクタール、年間生産量は推定38,000トンに上る。 ちなみにアフガニスタンの耕地面積は12,000ヘクタールで、生産量はモロッコの50分の一、760トンだそうだ。 さらにUNODCは、2005年から国際機関の調査を拒否しているモロッコを、非難している。 日本は、ハシッシを麻薬として禁止している。
(2)7月1日、AUアフリカ本部があるエチオピアの首都アジスアベバで、<アフリカの飢餓と食の安全>をテーマとする国際会議が開かれた。 参加者は、AUアフリカ連合、UNFAO(UN Food and agriculture Organization)国連食糧農業機構、食と農業に関する国際機関、そして西サハラ難民政府などで、3日にわたり討論を重ねた。 そして、2025年までにはアフリカ大陸の飢餓を一掃し、食の安全を確保しようと決議した。
(3)7月1日、UNGA国連総会はMINURSO国連西サハラ住民投票監視団の年間予算を承認した。 2013年7月1日から2014年6月30日まで約61億7千万円も使えることになる。 前年度を1億円も上回る予算を獲得できたのは、元アメリカ外交官で西サハラ国連事務総長特使・クリストファー・ロスの外交手腕によるそうだ。
西サハラMINURSOと同様に国連総会は、マリMINUSMA、コンゴ民主共和国MONUSCO、アイボリーコーストUNOCI、ソマリアAMISOM、ダルフールUNAMID、リベリアUNMIL、南スーダンUNMISS などなどに展開している14の国連平和維持軍年間予算、総計約7,520億円も承認した。
UNと名がつく14の国連平和維持軍の中で、西サハラMINURSOだけが国連住民投票を目指す組織です。 ところが、1991年に創設されて以来、肝心の住民投票作業は全く手をつけられていないのです。 一年間予算x23年と単純計算をしても、1419億1千万円!! 一体、何に使っているんでしょうか?
国連はどこからそんな大金を捻出してくるんでしょうね? 国連は収入源とともに、詳細な使い道も国際社会に公表すべきではないでしょうか?
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所所長
川名敏之
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)
代表:平田伊都子
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。