2013年09月02日12時40分掲載
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沖縄/日米安保
基地もオスプレイもいらない、辺野古に基地はつくらせない 上林裕子
本土復帰とは名ばかりで、米軍による占領体制がいまだに続いている沖縄。負担軽減のために県外移転が約束されていた普天間基地は、県民の納得も得られないままに辺野古への移転が進められようとしている。その上オスプレイ配備、米軍ヘリの墜落事故…なぜ沖縄だけに基地をおしつけるのか、これを差別と言わないで何と言うのか…「安倍総理、答えてください!私たちは日本国民ではないのですか!」…残暑厳しい官邸前に女性たちの声が響き渡る。
8月26日午後の官邸前。先月の参議院選挙で沖縄から選出された糸数慶子議員が、県内5市町村の女性議員とともにマイクを握り官邸に向かって呼びかける。横断幕には「基地の県内移設を許さない女たちの会」の文字。全国で圧倒的に自民党が議席を確保していった中で、沖縄は自民党が敗れた。
糸数議員は「自分が選ばれたことが沖縄の民意」という。選挙前に安倍首相はじめ、多くの閣僚が選挙応援に駆け付けたが、県民は安倍政権にNO!を突き付けた。県民の心の中には深い怒りがあった。
昨年、沖縄へのオスプレイ配備が決まった時、沖縄全県で反対運動が起きた。9月に全県民大会、今年1月には東京大会を開催、1月28日には沖縄全市町村長と全市町村議会長の署名し、オール沖縄の総意をこめた「建白書」を安倍首相に直接手渡している。
その沖縄県民すべての思いを全く意に介さず、オスプレイは配備され、しかも追加配備まで実施されている。そして8月5日の米軍ヘリ墜落事故。その原因究明もなされないままに、もうすでにヘリが飛び始めている。県民の不安や怒りは全く考慮されていない。「これほどまでに沖縄県民の人権は踏みにじられてよいのか」「首相、答えてください!私たちは日本国民ではないのですか」。
風光明媚な観光地沖縄の人気は高く、多くの人々が1度は沖縄を訪れているだろう。しかし、沖縄の基地の現実は、人々の暮らしの中に基地があるということだ。基地とフェンスを隔てたすぐ隣に学校や保育所や民家がある。オスプレイは人々の暮らしの頭上を飛んで行くのだ。騒音と不安をまきちらしながら。
「騒音で授業がたびたび中断される。テレビの音も聞こえない、親子の会話も中断される。夜間、早朝も航空機が飛ぶ。これは約束違反と市民や行政職員が写真を撮って訴えても、日本政府の出先機関である防衛局は知らん顔だ」「沖縄は無法地帯なのか。日本の国民として平等に命と暮らしを守っていただきたいと訴えても、日本政府は無視するだけ」。
「わたしたちは普通にテレビが見られ、ヘリやオスプレイによって会話が中断されることのない普通の生活がしたいだけ。私たちの普通の生活を返してほしい」「私たちの思いがわかれば、オスプレイの配備も、基地の県内移設もしないはず。小さい声を平気で殺していく、それが民主主義なのか」。もうこれ以上人権を踏みにじられたくないとの思いから、「基地の県内移設を許さない女たちの会」として今回首相官邸前の抗議行動を行っている。
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