2013年09月05日12時39分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】また一つ、米国原発の廃炉決定 バーモントヤンキー=福島と同型 山崎久隆
8月27日、米国でまた一つの原発が消えようとしています。
バーモント州とマサチューセッツ州の境に近いバーモントヤンキー原発は出力60万kwの沸騰水型軽水炉で、格納容器がマーク1型と、福島第一と同型です。
エンタジー社が2002年に買収したこの原発は、1972年に運転開始、既に買収時点で30年の老朽原発だったが、2010年にNRCに20年の運転延長申請を行い、一昨年に2032年までの運転認可を得ていました。しかし福島第一原発事故の影響で地元の反対が強まり、バーモント州議会は運転延長を拒否、これによりエンタジー社は訴訟に持ち込んでいましたが、追加の安全対策などにも経費が掛かり、さらに米国ではシェールガス革命という「エネルギー情勢の大変革」も起きており、相対的に原発の競争力が大幅に低下、この
まま運転延長で争っても得るところがないと社は判断し、2014年末をもって廃炉にすることを決めました。
バーモントヤンキー原発については、福島原発震災後に安全性の懸念が強まり、2012年に40年目を迎えるにあたり強力な反対運動が広がりました。その影響もあり、バーモント州議会は運転延長を認めない議決をしましたが、NRCが2012年3月に20年の運転延長を認めたことで、エンタジー社は州の決定の無効を裁判所に訴えていました。
この原発が全米でも熱い論争の的になった理由は、格納容器がマーク1型と、福島第一と同型であることのほか、2010年にはトリチウム漏れ、2012年には敷地がセシウムに汚染されていることが発覚と、放射線管理にも大きな問題が発覚したことが大きかったとされています。
反対運動でも93歳を筆頭とした高齢者5人が、門に鎖で体を縛り運転に抗議して逮捕され、裁判が開かれて大きな関心を引いていました。
≪福島原発震災以後の米国の原発閉鎖≫
・フロリダ州 クリスタルリバー原発 2013年2月7日廃炉決定
・ウィスコンシン州 キォーニー原発 2013年5月8日閉鎖(2009年から停止中)
・カリフォルニア州 サンオノフレ原発2、3号機 2013年6月7日廃炉決定
(2基ともに廃炉 いずれも2012年から停止中)
104基体制になってから長く維持してきたが、少なくても2014年末には100基を切ることになる。
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