2013年09月15日11時59分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】9月15日たんぽぽ舎声明文 「再び、全原発停止 このまま廃炉へとススメ」
国内で唯一稼働していた大飯原発は、3号機が2日深夜に、4号機が15日に運転を停止し、昨年7月以来、再び原発の稼働がゼロになった。金曜日に行われた首相官邸前抗議行動では、国会正門前・ファミリーエリアと官邸前で抗議行動が行われた。「稼働ゼロから原発完全ゼロ」「今こそ原発やめる決断」などのプラカードが見られた。
原発は止まったが、廃止されたわけではない。再稼働を止めるために、大きな運動のうねりが必要である。大飯原発であれ何処であれ、原発を再び動かすには規制基準に基づく審査が必要であるが、この審査には重大な欠陥がある。
●一つめは「福島第一原発の教訓」が生かされていないことだ。
今大きな問題になっている汚染水を含め、再度事故が起き、その対策に多くの人々が被曝を覚悟で臨み、原子炉からの放射能放出を止めることが出来るまで、大変な犠牲を強いられることについて、規制庁は何ら教訓化していない。
次の事故が福島第一原発と同じシナリオで来るとは考えられない。思いもしないところから事故は起きるだろう。しかし保安院時代の「ストレステスト」や規制庁になってからの「新規制基準」は、福島第一原発事故をなぞっているだけである。
例えば地震で圧力容器につながる配管や格納容器、原子炉建屋やタービン建屋が破壊され、そのために冷却材喪失事故、放射能放出事故に発展したことは考慮さえされていない。しているならば、例えば原子炉圧力計や水位計の開発に取り組むはずだし、格納容器や建屋の貫通部分を、もっと熱や放射線に強いものに変えさせるだろう。しかし規制委員会は何もしない。
水問題もまた、原発にとってはアキレス腱である。入れなければ炉心崩壊、入れすぎれば汚染水漏えい、どっちに転んでも大規模な放射能放出事故になる。水による冷却にはリスクが伴うので、代替手段も検討しなければならない。金属か、液体窒素か、空冷か、方法論をまとめなければ福島以上の大災害を引き起こす可能性もある。しかし規制委員会は何もしない。
●二つ目は、避難計画を自治体に押しつけていることだ
これまでは原発で事故が起きても、避難が必要な範囲は8〜10km程度とされてきた。30kmにも及ぶ避難範囲は、あり得ないことだった。ところが福島第一原発事故では、風下80km圏内からの、少なくても子どもたちの避難が必要だった。本来ならば。
規制基準では、何キロまで避難範囲などは定めていない。では、原子力防災範囲30km圏内というのはどうなったのだろう。
実際には、地方自治体が「災害対策」として「原子力災害」への備えをすることになっている。つまり自治体に丸投げだ。もともと原子力災害は30km離れた自治体には影響がないとされていたのに、突如「避難指示」が来るかもしれない、などとされてしまった。30km圏内の自治体は、その多くは防災計画さえ出来ていない。住民を避難させると言っても、これまでの地震や風水害では自治体内の広域避難施設などを準備すれば良かったのに、放射能災害では30kmよりも外に脱出する必要がある。他の自治体に逃げる計画を立ててきた自治体はほとんど無い。だから、計画そのものが立てられないのだ。
そんな自治体の困惑をよそに、規制委員会は防災体制が整っていなくても再稼働は出来るなどと、恐ろしいことを言っている。
●負けない!
政府の強引な原発再稼働方針は、一方で福島を切り捨てている。東電が汚染水を垂れ流しにしている実態に対して「コントロール出来ている」とあからさまなウソをついてオリンピックを取ってきた政権は、これからも福島の人々を見捨てるであろう。福島に帰る人と帰れない人への分断もあるだろう。検察による東電幹部の不起訴処分や、依然として解体されない東電、課題はほとんど積み残し。
けれど私たちは負けない。
私たちの心はいつも福島の人々の側にある。大飯原発が止まり、ゴールはもう近づいている。原発のない世界を、遙かな夢を求めて追いかけて、今日はとりあえずの「ゴール」だ
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