2013年09月16日03時03分掲載
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新自由主義科学者の実態を描く、'Merchants of DOUBT'〜市場原理主義の米科学者がエコロジー研究を敵視〜
筆者が未読の本だが、注目されている本と聞いたのでここで紹介。今日、企業が科学の研究データを金にものを言わせて改変していることがすでに世界で報告されており、科学の最大の問題となっている。
「マーチャント・オブ・ダウト」(懐疑論の商人)はアメリカの科学史家、ナオミ・オレスケス(Naomi Oreskes)と、エリック・コンウェイ(Erik Conway)が共同で書き下ろしたもの。地球温暖化、タバコの有害性、酸性雨など環境問題に政府が取り組むのが常に後手に回っていたのは大企業とつながりの深い少数の科学者がこれらの環境問題に発言して科学者たちのコンセンサスを乱していたことにあると告発しているようである。
ウィキペディア(英語版)によれば、3人の科学者が実名を挙げられているが、彼らは冷戦崩壊後に市場原理主義に対する新たな敵として環境問題に狙いを定めたという。
科学を歪める「科学者」については世界中で問題になっており、今後国境を超えた実態の研究と告発が国際的な協力のもとに行われるだろう。
■ナオミ・オレスケス氏
カリフォルニア大学サンディエゴ校の歴史学の教授である。http://history.ucsd.edu/people/faculty/oreskes-naomi.html
<ユーチューブでの映像〜オレスケス教授の講演〜>
http://www.youtube.com/watch?v=2T4UF_Rmlio
http://www.youtube.com/watch?v=XXyTpY0NCp0
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