2013年09月27日16時43分掲載  無料記事
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核・原子力

【たんぽぽ舎発】電力総連は自分の組合員を死出の旅に送りたいのか  再稼働を訴える会長あいさつに、異議あり  山崎久隆

 電気新聞の9月6日号に次のような見出しの記事が掲載されている。『「原子力再稼働、早急に」−電力総連、沖縄で定時大会』 
 
 記事の概要は、那覇市で開かれている全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)の第33回定時大会であいさつした種岡成一会長は、1300人の代議員を前に『原子力発電所の停止が長期化し、電気料金値上げや需給逼迫を招いている現状について「復興、経済再生の足かせとなるばかりでなく、電力の安全・安定供給を支える基盤を揺るがしかねず、憂慮すべき事態だ」と強調。安全が確認された原子力発電所の再稼働が、早急かつ根本的な解決策になると訴えた。』というもの。 
 
 電力総連が名だたる原発推進機関であることはよく知られているが、ここまで経営一体となって原発推進なのかと恐ろしくなる。 
 
 電力逼迫などしてはいないが、仮にそうなっているというならば、今年の夏は関西電力と九州電力に限られている。この二社は電力設備の半分を原発にしたため、全機停止により「逼迫」した。つまり原発が原因で電力不足になった責任を経営に問うのでは無く、再稼働に反対する私たちに押しつけようとしている。本末転倒も甚だしい。 
 
 さらに料金値上げや需給逼迫を招いた(しつこいようだが逼迫はしていない)原因は現在の9電力による独占体制にあるわけだから、まともな労働組合ならば巨大な独占資本である9電力体制の解体を言うべきであろう。 
 
 労使一体となって労組員の命運を企業の経営と同列視してしまうと、組合員の命よりも会社の安定が大事になる。これを翼賛体制というのでは無いのか。 
 
 福島第一の後始末は、命と健康を危険にさらす行為であることは明白だが「誰かがやらなければならない」ことでもある。電力総連も原発を推進してきた責任がある。そのことへの懸念と共感をのみ言うべきところだ。事故を起こしていない原発を、命の危険を冒してまで再稼働する意味などは全く無い。 
 
 電力総連会長は、自らの組合員を危険にさらしても会社が大事と叫ぶ御用組合の姿を、わかりやすい形で世に示した。この姿勢が貫かれるのであれば、9電力と共に解体すべき組織である。組織内で激しい議論になるべき問題だが、そういう声は聞こえてこない。 
 
 電力総連は、大会冒頭の発言として、こんな恐るべき会長挨拶では無く福島第一原発の運転員だった人の声を、まず聞くべきであった。 


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