2013年10月07日19時31分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 モロッコ映像作家が西サハラ映画祭に初出品 平田伊都子
モロッコ人の写真家ナディール・ブーム―シュが、自作の記録映画<私のマハゼンと私>を、2013年の西サハラ難民映画祭に出品しました。 彼は自分のブログで「何故、モロッコ人である私が、西サハラの人々に味方するのか?」を、語っています。 モロッコ本国では、<西サハラ>と言う地名は存在せず、一般モロッコ人には西サハラ情報など知らされていません。 ナディールがモロッコ占領地・西サハラと西サハラの独立を目指す西サハラ民族を知ったのは、彼自身がモロッコでモロッコの自由と民主主義の戦いを始めてからのことです。 モロッコ映画人が西サハラ難民映画祭に出品するのは、ユダヤ映画人がイラン映画祭に出品するのと同じくらい、画期的なことです。
(1)2013年10月4日、アメリカ下院議員ベテイー・マッコラムが主催する会合で、「国際アムネステイーやヒュマン・ライト・ウオッチやRFKセンターなどの人権団体に加え様々なメデイアの報道によると、モハンマド6世の治安部隊と秘密警察は、西サハラ被占領民だけでなくモロッコ人権活動家たちも迫害していることが明らかになってきた」と、モロッコ政府を強く非難し、アメリカのオバマ政権を含む様々な組織にこの問題への関与を促した。
(2)2013年10月6日、CNASPS(西サハラ人民と連帯するアルジェリア国営委員会)が、ニューヨークの国連で開催される国連脱植民地化第4委員会に参加すると発表した。
CNASPS は国連第4委員会で、「西サハラ民族の自決権行使と彼らの独立運動に対して、全面的な支援を表明し、世界中の人々に賛同を促す」と、予告した。 さらに同委員会は
アメリカのケネデイー財団やアメリカ両院議員などに会い、アメリカに於けるアルジェリ西サハラ市民団体の創設を予定している。
(3)2013年10月7日に、国連脱植民地化第4委員会が開催された。 10月14日までの一週間にわたって、西サハラを初めとする世界に16か所も残っている植民地の解放策が議論される。 「現代社会に植民地があることは断じて容認されるものではない。植民地に於ける独立を目指す脱植民地化運動を認め、その地域住民の民族自決権を支持する」と、パン国連事務総長は語った。 が、その台詞は1960年の国連植民地独立付与宣言と同じで、西サハラの植民地状況は全く変わっていない。
10月8日から、西サハラ難民映画祭が一週間の予定で始まりました。 時は晩夏、暑くもなく寒くもなく、満天の星空の下で砂漠に寝転がって、西サハラ難民の人々は難民自主制作の映画やヨーロッパの記録映画を楽しみます。
ところが、10回目を迎えたこの映画祭に喜しい珍作が登場したのです。 モロッコの映像作家で写真家のブームーシュが描く43分間の記録映画なのです。 <私と私のマハゼン>という映画のなかで、ブームーシュは<モロッコの春>の誕生と、自由と民主主義と人権を求めるその運動がモロッコ政府の弾圧を受け崩壊しポシャってしまった、その経緯を物語っているそうです。 <そうです、、>とお断りしなければならないのが残念です。 チャンスがあったらご一緒に見たいですね!
<マハゼン>とは、アラビア語で店や倉庫を意味します。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2013年10月7日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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