2013年10月10日18時24分掲載
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文化
パリの芸術家〜政治と芸術について〜写真家ニコル・ペシュキン 2 〜
40人の芸術家による青空市「Place aux artisites !」に参加し、「デモ行進する人々」(Gens en marche)というコラージュ作品を展示していたニコル・ペシュキンさんに政治と芸術についてお聞きした。
「政治と芸術、大きなテーマです。私はただいくつか述べるにとどめたいと思います。私は「政治」という言葉を聞くと、語源となっているギリシアのある言葉を想起します。それは<町が抱えている心配事>あるいは<社会が抱えている心配事>という意味合いです。つまり、ある政党の単純な政治的傾向のことではありません。
もし政治がそのようなものに矮小化されたなら〜つまり政党の政治的スローガンにですが〜そこでは芸術を創造することはできず、ただプロパガンダを作るだけになってしまいます。
しかし、政治とは他者の抱えている心配事についての事柄なのです。そこには大いなるテーマがあります。人間の尊厳を守る戦い、権利を守る戦い、正義を求める戦いです。写真という芸術もまたそこで力を発揮することができます。
過去に数多くの偉大な写真家がそれを実践してきました。私もまた「ユマニスト」(人間主義者)の伝統に沿うように生きてきました。
ただ、「芸術」であるためには現実をなぞるだけでは不足です。そこでもっと多くのものを伝えなくてはなりません。白黒写真においては二つの大きな道具があります。光と、構成です。これらによって現場におけるエモーションを伝えるのです。それこそ私が写真のコラージュによって作っているものです。」
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