2013年10月18日05時02分掲載
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コラム
働き易いオフィス 鬼塚忠
最近、NEC関連の会社をオフィス見学した。
そこではっとした。というのは今まで私は自分の仕事環境に100%満足していたからだ。たとえ、築50年を超える旧いマンションであっても、少人数にしては広く、床はすべてフローリング、壁はれんが。スティール製の事務用品は置かず、すべてアンティックで木製のもの。照明もインドの手作りのもの。それにインド・カシミア地方の絨毯。調度品もすべて手作り。それが自分にとっていいと思っていた。すこしばかり告白すると、いつか、かっこいい事務所として雑誌か何かの取材でも受けるかも、などと思っていた。
しかし、その会社は仕事がしやすいように、人間工学の面から、コミュニケーションの面から考え尽くされていた。
さらにペーパーレス。読んで字のごとく、紙を使わないのだ。どれだけ契約しようと、どれだけ設計図を書こうと、紙はない。すべてPCのなか。会社にプリンターがない。だから、出版業界で当然あるべき書類の山が、机の上にない。すっきり。驚きだった。
それゆえに、特定された机がない。社員は会社のどこで仕事をしていてもいいのだ。ちなみに会社は1000平米くらいの広さ。そこに、社内、社外の人がミーティングをしたりと、プロジェクトごとに集まっているという。
ちょっと革命的だった。古くさい自分がそこにいた。
自分の考え方が一番だと思っていると、他の人はどうしているのかとまったく気にならない。自分のオフィスはいいと満足していると、他人のしごと環境が気にならない。そういう考え方は辞めようと改めて思った。
自分より違った人の考え方に注意を払い、何でも吸収しよう、まだまだ働き易いオフィスを作れる、と思った。
鬼塚忠 (作家・出版エージェント)
「アップルシード・エージェンシー」代表
http://www.appleseed.co.jp/
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