2013年10月20日14時35分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】東電福島第一原発の建屋は大丈夫か 大量の泥水の中に浮かぶコンクリートの箱 山崎久隆
「4号機は傾いているのではないか」福島第一の現場では、これが大きな問題を引き起こす。そこで東電はプールの水面高さを測り、結果として4号機建屋は傾いていない。と結論づけた。しかし原発の周囲は大量の地下水が上がってきており、原子炉建屋もタービン建屋も全て泥水の中に浮かぶコンクリートの箱だ。それが原因で1〜4号機全てに大量の地下水が流れ込んでいる。
もともと原発の周囲には「サブドレン」と呼ばれる地下水を汲み上げる井戸が存在した。ところが地震と津波と放射能汚染のために全て使用不能となり、建屋の下にあった地下水面が地上付近まで最大10mも上昇している。
東電はこのことをよく知りながら、敢えて調査もろくにしないで、2年半の時間を無駄にした。本来ならば、敷地と海中に合わせて1000本くらいは観測井戸を作り、自動で記録できるモニタリングシステムを組み込めば、連続記録を取ることが出来、作業員が被曝するといったリスクも大きく減らせる。
早い段階で地下水の水位と汚染の程度を確認していれば、漏えいを最小限に抑えることも出来た。しかし東電はそうしなかった。調べて実態を把握していて何もしなければ故意になるが、知らないままであれば調べないことは批判されても、過失になる。結果対策を怠ったことが調査が不可能だったことになってしまう。故意犯よりも過失犯のほうが罪が軽いというわけだ。
東電体質とは、こういうことである。やらなければならないことを先送りし、さらに安全性を確保するためではなく、東電のやっていることが「合法的である」というお墨付きを得るために審議会のような会議を作る。こんなことをしていたら事故が起きてしまうと、市民がいくら批判をしても国も「事業者に取り込まれている」(国会事故調報告書より)ためにいっこうに改まらない。
だからこそ、東電は破たん処理を実行し、柏崎刈羽原発などに無駄な資金をつぎ込むようなことにならないようにし、福島第一の収束に全力を投じることを任務とする国と事業者の合弁事業体を作るべきなのだ。
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