2013年10月30日02時31分掲載
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TPP/脱グローバリゼーション
ジョゼ・ボベ欧州議会議員がカナダ産ホルモン肥育牛の欧州への輸入に警告
フランスの農民運動家で欧州議会議員のジョゼ・ボベ氏がカナダ産のホルモン肥育牛が欧州に入ってくることに警告を発している。10月21日付のパリジャン紙によると、欧州連合とカナダが自由貿易協定を結んだ結果、カナダ産のホルモン肥育牛が大量に欧州に輸入される可能性が高い。この欧州連合とカナダの自由貿易協定は記事の直後、10月22日に締結された。
http://www.commerce-exterieur.gouv.fr/union-europeenne-canada-accord-libre-echange
ボベ氏は成長ホルモンを与えられて育てられた牛肉を食べると健康へのリスクがあるとして、警告を発している。カナダではホルモン投与を許可しているが、フランスでは禁止している。自由貿易協定によって食のあり方が議論のテーマになっており、ボベ氏はオランド大統領に再考を促す模様だ。
記事によればボベ議員はカナダの肉牛の生産は多数の牛を一箇所に集め、成長ホルモンを与える工業的な酪農であり、牛の健康管理もフランスのように徹底していないと厳しく指摘している。
フランスの牛の酪農家の経営難による自殺が多くなっていることが最近フランスの新聞で報じられたばかりだが、自由貿易協定はフランスの農民に、さらなる生き残りの難しさをつきつけるだろう。
http://www.leparisien.fr/espace-premium/actu/le-boeuf-aux-hormones-canadien-va-arriver-en-france-21-10-2013-3245213.php
■ホルモン肥育牛
成長ホルモンを牛に与えることで短期間で成長できる。しかし、このホルモン剤の影響で、肉を食べた場合、発がん性などの健康リスクがあるという指摘があり、フランスでは使用が禁止されている。
ウィキペディアには次の記述がある。
「アメリカでは、牛を短期間で肥育させる成長促進剤として、ホルモン剤の投与が行われている。アメリカ産の牛肉には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが国産牛肉と比較して、約600倍残留している。なお、ホルモン剤の使用は、日本やヨーロッパでは禁止されている。
エストロゲンは女性の成長に必要なホルモンであるが、外部から摂取することは、がんの発症に関与していると考えられている。牛肉消費量の増加とともに、ホルモン依存性がんの患者数が約5倍に増加していることから、アメリカ産牛肉ががんの原因であると示唆されている」
■フランス農民の知られざる悲劇 2日に1人自殺 金融危機が牛の酪農家にしわ寄せ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201310120630576
■ジョゼ・ボベ欧州議会議員のツイッター
https://twitter.com/josebove
現在、エコタックス(環境税)を支持している。エコタックスの導入によってフランスの雇用が守られると発言している。
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