2013年10月30日19時49分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201310301949063

憲法

ニューヨーク・タイムズが日本の特定秘密保護法案の危険性を社説で指摘

   ニューヨーク・タイムズ紙が安倍政権が国会で成立させようとしている特定秘密保護法案の危険性について社説で書いている。対象は防衛、外交、諜報、テロ対策分野とされるが、何を秘密にするかについてのガイドラインがないことがまず問題であり、「秘密にされるものが何か定義されていない」という曖昧性によって政府は都合の悪い情報は何でも隠蔽できる、と指摘している。 
http://www.nytimes.com/2013/10/30/opinion/international/japans-illiberal-secrecy-law.html?smid=tw-share&_r=0 
  NYTの社説で興味深いのは次の内容だ。これまでは防衛分野にだけは認められていた<秘密>に指定された情報の扱いについて。 
 
  防衛省で<防衛機密>扱いに指定された文書としては、2006年から2011年まで55000文書が存在したが、そのうち34000の文書はある一定の期間を終えると処分・廃棄されていた。機密扱い文書の保管期間の長さは秘密ごとに異なっている。そして55000件のうち、公開されたのはわずかに1件だけだった。 
   安倍政権が目指している特定秘密保護法案においてはしかも管理期間が定められていない。さらに国会議員すらこの秘密内容について知ることができず、公の場で検討することが許されなくなる。 
 
  NYT論説委員は防衛省のケースを見れば、安倍政権が現在進めている特定秘密保護法の未来も推測できると示唆しているのだ。つまり、防衛・外交・諜報・テロ対策分野においていったん機密指定にされてしまえばそれらの情報は二度と国民に公開されない可能性が高い。これは国民の知る権利を侵害するものである。 
 
 
■以下は今年7月の日刊ベリタの記事<安倍政権が提出する「秘密保全法案」(仮名) 〜処罰は公務員だけではない〜国民が知るべき情報は国が決める> 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201307271738436 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。