2013年11月11日14時35分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 ケリーがケリーに直訴状 平田伊都子
2013年11月7日、ケリー・ケネデイーがジョン・ケリーに<アフリカ最後の植民地・西サハラ>の解放を求める直訴状を渡しました。 ケリー・ケネデイーは凶弾に倒れたロバート・ケネデイー元アメリカ司法長官の娘で、 暗殺されたケネデイー第35代アメリカ大統領の姪に当たります。 ジョン・ケリーはアメリカ国務長官で、国内問題に忙殺されているオバマ大統領に代わって、世界を飛び回っています。 もし直訴する内容が正当なものであれば、折を見て直訴状を渡す、、、当たり前のことだと思いませんか?
(1)2013年11月7日、ケリー・ケネデイーRFK・Center(ロバート・ケネデイー正義と人権センター)所長がジョン・ケリー・アメリカ国務長官に次のような直訴状を渡した。
「ケリー国務長官がモロッコを訪問する時、またモロッコ国王が訪米の時、西サハラ住民の人権を尊重し国連西サハラ住民投票が実現するよう、モロッコに圧力をかけることを強く要請します。最後のアフリカ植民地・西サハラの解放を、アメリカ外交の最優先事項に
すべきです」 2012年に西サハラと難民キャンプを訪問したケリー・ケネデイー所長は、虐待されている西サハラ人の人権保護を訴え、西サハラ民族自決権を支持している。
(2)11月7日、西サハラ難民政府大統領アブデル・アジズはアルジェリアの西北にある難民キャンプからアルジェリアの首都アルジェに移動して、アメリカ国務長官ケリーのアルジェ入りを待っていた。 アルジェリア国営ラジオのインタヴューに答えて、「モロッコ当局が不法拘束している西サハラ政治囚の釈放と、中断しているモロッコと西サハラ両当事者の交渉再開を、アメリカ国務長官ケリーに要請する」と、大統領はケリーのアルジェリア訪問に大きな期待を寄せた。
(3)11月8日、アルジェリア外務省報道官アマル・ベラニが、アメリカ国務長官ケリーのアルジェリア訪問延期を発表した。 報道官は、「金曜日(11月8日)の午後、アルジェリア外務大臣ラムタネ・ラマムラはアメリカ国務長官ケリーから直接電話を受け取った。ケリーはオバマ大統領の命を受けて、急きょ、イラン核兵器問題会議のためにジュネーヴ入りすることなった」と、アルジェリア訪問延期の釈明をした。
(4)11月10日、アルジェリア外務大臣ラムタネ・ラマムラはアルジェリア通信大臣アブデルカーデル・メッサヘルとの合同記者会見で、「西サハラに於ける人権問題に関して、アルジェリアとアメリカの立場は同じだ。元アメリカ国連大使で現大統領特別補佐官のライスが国連安保理に提案した<西サハラに関する人権擁護>問題は、今も変わらず、両国が共有している」と、語った。
アメリカ国務長官ケリーのアルジェリア訪問ドタキャンで、西サハラ難民政府もアルジェリア政府もガックリきたようです。 でも、ケリーがケリーに出した直訴状は、厳然としてアメリカ国務省に残っています。
ところが日本では、山本太郎参議院議員が天皇陛下に直訴状を渡して非難轟々となりました。 直訴状の内容は、日本人みんなが平等に浴びる放射能汚染という重大事なのです。 直訴状を横取りした侍従は内容を確認し、ちゃんと宛先人に伝えるべきです。 「わざわざ危険を知らせてくれてありがとう」と、お礼を言うべきだと思います。 間違っても、捨てたりしないでください!
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2013年11月11日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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