2013年11月17日13時28分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 ローマの西サハラ 平田伊都子
2013年11月15日と16日、イタリアの古都ローマに、枯葉をぬって西サハラの国旗が翻りました。 故郷西サハラで西サハラ国旗を掲げることは、植民地支配をしているモロッコ占領当局により禁じられています。 第38回EUCOCO(西サハラ人を支援し連帯する欧州会議)主催者は、この派手な西サハラ・イベントを、毎年ぶち上げると意気盛んでした。 が、まず、<国連西サハラ住民投票>を国連に実施させる、あらゆる方策を練り行動するのが先なのでは、、? 戦火が一時的に鎮まっている今がチャンスです。 何か起こると国際社会はそっちに流れ、西サハラ問題など忘れてしまいます。 お祭りは<国連西サハラ住民投票>の後にしましょう。
(1)「アルジェリアにある西サハラ難民キャンプの生活状況はますます酷くなってきた。世界的不況で援助物資が激変し、栄養失調と疾病が増加している」と、アルジェリアにある西サハラ難民キャンプのムスタファ医師が訴えている。特に、幼児の呼吸器官と消化器官の病気が慢性化しているそうだ。
(2)11月13日、EUCOCOに2日先駆けて、西サハラ難民政府大統領アブデル・アジズが、ローマ入りした。11月14日、大統領はイタリア会議場の高官が主催した歓迎パーテイ―に参加。イタリア会議場の一室で、<西サハラを支援する欧州の議員>数人と会談し、「モロッコ占領当局の西サハラ住民に対する虐待を非難し、<国連西サハラ住民投票>を通して西サハラ民族自決権の行使を促す」という声明を出した。 声明は国連事務総長やEU議長やAU事務局長やイタリア政府に送られるそうだ。
(3)11月16日、ピエール・ガランEUCOCO会長は、第38回EUCOCO会議の閉幕を宣言した。西サハラ難民政府からはアブデル・アジズ大統領、モハマド・シダティEU代表、アミ・オマル・イタリア代表などが参加した。主催者によると、12カ国から約300人の代表が集まったそうだ。「来年はマドリッドで会いましょう!」と、会長はしめくくった。
(4)11月末には医療団が、西サハラ難民キャンプに、毎年恒例になっている治療訪問をする。 今回はスペインとイタリアとスエーデンの合同医療班で構成され、腎臓と目と泌尿器官の手術が主に行われる。
西サハラ難民の人々はアルジェリアの北西端に難民キャンプを張って、38年になります。
横田めぐみさんが拉致されたのは1977年11月15日、ほぼ同じくらいの長い年月が経っています。 二つの異なった悲劇は、20世紀以来、解決されていませんが、<人災>と言う共通点があります。 人間が起こした災いなら、起こした張本人が償えるはずです。 「人を不幸にしたら、いつか誰かに仕返しをされる、、仕返しをされる前に自分で後始末するんだよ」とは、死んだおばあちゃんの口癖でした。
西サハラを植民地支配するモロッコは一日も早く国際法違反を認めて、国際社会の御裁きを<真摯に受け止める>べきです。
文:平田伊都子 ジャーナリスト、 写真:川名生十 カメラマン
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