2013年11月27日02時47分掲載  無料記事
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みる・よむ・きく

次の戦争をどこで起こすか〜ボリス・ヴィアン作「将軍たちのおやつ」〜  

  話題は次の戦争をどこで起こすか、だ。なぜ戦争をしなければならないか、といえば、政治家たちが失政を挽回し、国民の関心をそらすためである。さらに軍需産業からの要請でもある。そこで戦争しても必ず勝てる国を将軍たちは探し始める。間違ってもロシアとか、中国とか、アメリカのような核兵器を保有する大国とは戦争することができない。だから、世界で最も弱い国々の中から、どこがいいかとママのお手製のお菓子を食べながら、世界地図を広げて議論するのである。 
 
  フランスの作家・ジャズミュージシャン・作詞家・劇作家、ボリス・ヴィアン(Boris Vian; 1920-1959)の戯曲「将軍たちのおやつ」の一コマだ。 
 
  将軍たちは楽勝できる国を探そうと居間の新聞の紙面をめくる。ところが新聞には何も書かれていない、白紙が続くのである。全部のページが白紙になっている。新聞を検閲しすぎて記事がひとつもなくなってしまったのだ。情報統制が進みすぎて、将軍たち自身も世界情勢がさっぱりわからなくなってしまう。そのとき「ニュースがないのはいいニュースだ」と将軍のひとりが口にする。 
 
 
■Le Goûter des Généraux(「将軍たちのおやつ」) 
  ヴィアンの戯曲「将軍たちのおやつ」の公演は近年も各地で行われている。 
http://troupedusonge.free.fr/index.php/le-gouter-des-generaux 


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