2013年12月05日22時24分掲載
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政治
強行採決を許すな! 国民の怒り爆発・怒涛の国会周辺
12月5日夜。地下鉄・国会議事堂前駅の構内を出て、さっそく国会議事堂に向う。フランスから帰国して、まっさきに見に行ったのがコレである。今日特定秘密保護法案が参院で可決されるかもしれない。地上に出て、声が聞こえてくる方角へ向かった。国会周辺、歩道に少なくとも3つの大きな人の塊ができていて、それぞれ参加者がマイクを手に意見を述べている。
「こんな寒い日は家でテレビを見ながら鍋でもつついていたかった。でも、特定秘密保護法案のおかげでこんなところに来ています」
「選挙で選ばれた議員が民主的な審議をしていない。数をたよりに強行採決を繰り返している。だから私たちがここで意見を述べている。これがテロなのか?」
「埼玉の公聴会、決まったのは直前。意見を述べた人には前日の夜10時に連絡が来たという。こんなバカな話があるか。埼玉の人の91%は慎重な審議を求めている」
「自民党の党名の中に自由と民主主義という言葉が入っているがそのどちらでもない」
何とか議員に声を届かせようと、声を張り上げている。意見を述べ終えるとシュプレヒコールだ。
「特定秘密保護法案は 絶対 廃案」
「絶対廃案」
「廃案 廃案」
太鼓を鳴らす人もいる。正確な数は不明だが、警察官は50人〜100人くらい動員されている印象だ。歩道と道路脇に立ち、またデモ隊の脇をびっしり固めている。そして、公安警察官と取材カメラマンがビデオやカメラで向かいからその模様を撮影している。スポーツ自転車に乗った二人組がデモ隊の前で片手を揚げてガッツポーズをとり、エールを送っていった。
そのあと今度は白い巨大なトラックが連なって曲がってきた。自民党と安倍総理・石破幹事長をこき下ろす、「国賊」「売国」・・おどろおどろしい文言が車体の横に大きく書かれている。トラック3台が同様だった。周囲から「おーっ」とため息が漏れた。
参加者たちの意見表明は絶えず続けられた。
「私の祖父は戦争で死んだ。安倍総理の祖父はのうのうと生きていた。子供の未来の為に歴史を繰り返すことはできない」
「自由な言論を奪うな!知る権利を奪うな!主権は国民にある!」
「自民党は第一党と言っても選挙の得票(比例区)では有権者の16%に過ぎない。小選挙区制のおかげで多数派だけど、本当は自民党は少数派なんだ。」
「公明党はかつて創価学会が治安維持法で弾圧されたことを忘れたのか!」
「安倍さん、議員の皆さん、原点に戻ってください」
「デモ参加者の皆さん、明日は今日来ている友達とは違う人を誘って来てください。家族でも、近所の人でも、電車で出会った人でも」
「私たちは絶対にあきらめない」
向かいの参議院議員会館に灯がついていて、黒い人影が見える。民主党の牧山参議院議員が表に出てきた。
「夏の参院選で自民党は特定秘密保護法について何も説明しなかった。もししていたら、選挙で自民・公明に投票した人も違った選択をしたかもしれない。自民・公明に投票した有権者に対してもこれはフェアじゃない。」
地下鉄駅からまた100人近い人の群れが出てきて、ぞろぞろ議員会館めざして歩き始めた。
■パリの芸術家〜政治と芸術について〜写真家ニコル・ペシュキン 2 〜
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■パリの芸術家 〜ラルザックの夏の思い出〜
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