2013年12月09日22時33分掲載  無料記事
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生活

エコロジーを楽しくするパリの雑貨屋 'rose BUNKER' 村上良太

  昔、パリのモンマルトルにアリスティード・ブリュアン(Aristide Bruant)という歌手がいた。ブリュアンはロートレックの版画にも出てくる粋な男だ。そのブリュアンの名前がついたアリスティード・ブリュアン通りに一軒の雑貨屋がある。名前はローズ・バンカー(rose BUNKER). 
 
 外から見ると、骸骨の模型があり、日本の提灯がつられてあり、洒落た置物が所せましと見える。入ってみると、2階建ての店の中に所狭しと様々な商品が並んでいた。自転車のチェーンの一部をリサイクルして使った腕輪や栓抜きのアクセサリー、写真の額縁。あるいは昔のLPレコードを大胆にも裁断して作った本立て。さらに昔使われていた空き瓶やキーホルダー。ブリキの模型。懐かしくもあり、ちょっとワクワクもする。 
 
  店のオーナーのエリック・ドロルム(Eric Delorme)氏によると、ローズバンカーのコンセプトは店の名刺に刷り込まれているように、「クール&リサイクル」。つまり、リサイクルはリサイクルだが、「クール」(格好いい)でないといけない。 
 
  エリック氏が見せてくれたのはイタリアのデザインで作られた廃材を利用した壁の装飾。鹿の頭をデザインしたものだが、イタリアらしく、色とりどり。決して、重苦しくない。バリエーションとして壁の装飾品「小鳥の巣箱」もある。 
 
  また、使い古されたトラックの幌(シート)をリサイクルして作ったバッグもある。さらに驚くのは缶ビールのプルトップを活用した洒落たベルトやバッグ。昔のカセットテープを再活用したした装飾品もある。 
 
  リサイクルは暗くない。せっかくだから、リサイクルを楽しもうぜ、というメッセージだ。そして皮肉にも、フランス製品よりも、イタリアンデザインで製作はドイツ、という品が結構ある。これが逆だとよくないそうだ。自転車のチェーンを活用した雑貨はアメリカのブランドだという。リサイクルバッグはスイスのブランドだとか。ここに来ると、なんだかいろんなことができそうな気がしてくる。リサイクルに国境はない。こんな風に民主主義も捨てずにリサイクルしたいものだ。 
 
 
■rose BUNKERのホームページ 
http://www.rose-bunker.fr/ 
■FREITAGのホームページ 
http://www.freitag.ch/about/history 


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