2013年12月10日15時54分掲載
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欧州
NYTの社説 〜フランスの買春取締法について〜
ニューヨークタイムズは12月10日付の社説で、フランスの国会下院で可決した買春処罰法について論じた。フランスで議論が起きていることは確かだ。たとえばセックスワークは本人の選択だとか、処罰をすることでかえって地下にもぐり、一層売春する者が危険になるなどなど。しかし、ニューヨークタイムズはフランスにおける売春の状況をこう伝えている。
「最終的にフランスの下院が買春する客を処罰化する法律を可決した理由は〜ドイツも間もなくこれに続くと見られているが〜貧困な国々から渡ってきて売春をする人が増えているという実態である。たとえばルーマニア、ブルガリア、ナイジェリア、中国、タイといった国々である。フランスにおいて売春する人の10人中9人までは外国から来た人々であると報告されており、その大半が人身売買によるものだと推測されている」
かつてのようにセックスの自由・自己責任という議論とは別のところで、こうした被害者の外国人が大半を占めていると言う実態に目をつぶることができなくなったということのようだ。そして売春する側を被害者に位置づけ、買春する側に処罰規定を設けたのである。
実際、前に日刊ベリタで書いたことだが、パリ市内のベルビルという地下鉄駅の周辺には多数の中国人売春婦が日中からたむろしている。その多くは20代から30代だろう。ベルビル在住のフランス人の話ではこの2〜3年に起きた現象だそうだ。
下院で可決されたこの法案、セナ(上院)での採決は来年に持ち越される。
■ニューヨーク・タイムズ社説’France’s New Approach to Curbing Prostitution’
http://www.nytimes.com/2013/12/09/opinion/frances-new-approach-to-curbing-prostitution.html?_r=0
■買春の処罰化に向うフランス 下院で可決
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■パリでセックスワーカーがデモ行進 「セックスワークも労働だ!」〜客の処罰化に抗議〜
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