2013年12月22日22時55分掲載  無料記事
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コラム

都知事選は民意の現れか?〜都民は驕るなかれ〜

  次の東京都知事選は安倍内閣に対する民意の現れだという論者が少なくないようだ。特定秘密保護法案に対する国民の考えが今度の都知事選に集約され、もし自民党公認候補が勝てば特定秘密保護法に対する国民の信任となる・・・こういう論理である。 
 
  だが、待ってほしい。東京都知事選は日本国民の総意と言えるのだろうか?この前提はそれほど確かなことだろうか。これまでの東京都知事選に津々浦々の日本国民の意思が表象されてきたのだろうか。沖縄県民の思いが都知事選に反映したことがかつて一度でもあったのだろうか。 
 
  東京都知事選に対して、他の県に住んでいる人は投票権を持っていない。それはどこまで言っても東京という日本の中で、金や情報や人材が集中する異様な地域の選挙である。東京は地方の犠牲の上に咲いた町なのだ。石原知事が三選した東京都知事選は日本国民の民意の現れだったのだろうか。石原氏や猪瀬氏を知事に選んだのは東京都民であって、それ以外の何者でもない。今の日中関係の悪化を招いたのも石原氏である。東京都民は原発事故の後も、原発推進派の石原氏を再選させている。だから、石原氏やその後継の猪瀬氏が頓挫したというのなら、彼らを選出した東京都民の責任である。埼玉県民にも、福島県民にも、北海道民にも責任はない。 
 
  与党がどう考えようと、あるいはそれと対立する論者がどう考えようと、都知事選は東京都民の民度を示すローカル選挙に過ぎない。最早地方の人間は東京都民を仰ぎ見てはいない。都知事選は安倍政権に対して国内でも特殊な自治体に居住している「都民」が信任するかどうかが問われる選挙に過ぎない。だから、今回の都知事選で問われているのは安倍政権の是非という以上に、東京都民自身である。 


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