2013年12月26日00時21分掲載
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TPP/脱グローバリゼーション
中身の不透明なTPP 〜アジア諸国は十分な情報公開がなければ参加してはいけない〜 外国人コラムニストの警告
東京に滞在して筆を振るっているBloombergのWilliam Pesek氏はTPP(Trans-Pacific `Partnership)への参加は考え直した方がよいと警告を発した。’Wikileaks reveals why Asia should skip the TPP'(ウィキリークスがアジアがTPPを拒否した方が良い理由を暴露)と題するコラムである。
その根拠は音頭を取る米政府の秘密主義にあるとする。Pesek氏はジョン・ケリー国務長官がアジア諸国に、TPPに参加れば「透明度」が高まり、「政治責任」も明確になると参加を促しているが、TPPの中身は秘密主義で、「透明性」とはほど遠く、参加した場合、国民の生活にどのような影響が出るかも明らかではないと批判し、警告した。
現在、インドネシア、フィリピン、韓国、タイ、台湾はTPP交渉に参加していない。Pesek氏はこれらの国々は臆病なのではなく、政治指導者が国民を「不透明」な未来に投げ込むことを拒んでいるからだ、と高く評価した。その一方でTPP交渉に並行して、急に特定秘密保護法を国民の反対を押し切り、国会審議も十分にせず強引に通した日本国政府のリーダーをこれらのアジア諸国よりも、低く評価した。この裏にはTPP交渉が絡んでいると言うリードである。つまり、日本国民に交渉内容を知らせない目的が潜んでいるのではないか、ということである。
米政府が頑なに交渉のデテールを公開することを拒んでいることと、TPPが米史上最大の通商条約であることをPesek氏はその政治コラムで伝えた。まさに、そのことがアジア諸国がTPP参加を拒むべき理由であると明言した。危険性があるというのである。
■米議会でもTPP反対論強まる その1(大野和興)
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「米国議会でもTPPー環太平洋経済連携協定ー反対の動きが強まっている。11月には160人を超える民主党議員、20数人の共和党議員が、TPP交渉に秘密性を批判し、協定締結の権限が議会にあることを強調してTPA貿易促進権限法に反対する書簡を大統領に送った。」米国内ですらTPPを進める米政府の秘密主義への警戒が相当強まっているというのである。
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