2014年02月12日02時30分掲載
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検証・メディア
NYT元編集者が新たな報道プロジェクトの立ち上げに参加 〜米国の司法システムを報じる新媒体へ〜独自取材を含め、刑事司法改革を射程に市民の議論を促す
約30年間、ニューヨークタイムズで活躍したベテラン記者・編集者・コラムニストのビル・ケラー(Bill Keller,1949-)氏がNYTを去り、今年の4月以降に新たな報道プロジェクトの立ち上げに参加するという。ケラー氏は現在65歳。
いったいどんなジャーナリズムか、というと米国の司法システムを監視するものになるという。司法と言っても刑法の領域である。マーシャル・プロジェクト(Marshall Project)というプロジェクトで、非営利事業ということだ。ケラー氏は編集長に就任する。
マーシャル・プロジェクトのウェブサイトによると、刑事司法にフォーカスしたジャーナリズムを今立ち上げる理由は米司法システムが危機にあり、改革を緊急に要しているという危機感があることだ。米国の収監者の割合は世界でも高く、刑務所の運営コストも高騰しているほか、刑務所内の暴力など多くの問題をはらんでいるらしい。そこで米市民の意識を喚起し、議論を促すためにジャーナリズムが必要だと考える人々が立ち上がったようだ。そして、優れたジャーナリストであるケラー氏を編集長に迎えて、本気度を示したということのようである。
ニューヨークタイムズによると、刑務所の中からの声も含めて様々な記事を集めるとともに、強力に独自の取材を行う予定だという。ケラー氏はニューヨークタイムズ時代にモスクワ支局やヨハネスブルク支局などで国際報道を行い、ピュリッツァー賞を受賞している。また、ケラー氏が編集主幹だった2003年から2011年までにニューヨークタイムズは18のピュリッツァー賞を受賞している。
■マーシャル・プロジェクトのウェブサイト
http://www.themarshallproject.org/
■マーシャル・プロジェクトのツイッター
https://twitter.com/MarshallProj
■ケラー氏のツイッター
https://twitter.com/nytkeller
■刑務所内のレイプ
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