2014年02月17日20時52分掲載  無料記事
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地域

豪雪被害、自衛隊派遣をという自治体要請を埼玉県が断る

 豪雪で孤立状態に陥った埼玉県秩父市も、17日やっと国道が開通し、外とのつながりが出来た。しかし西武秩父線と秩父鉄道は引き続き不通。こんな中で久喜邦康秩父市長が、「自衛隊派遣を再三埼玉県へ要請しましたが、断られました。県からは、緊急の場合はヘリ輸送で対応し、国・県道の除雪は埼玉県土整備事務所で行うとの回答でした」ことを明らかにした(秩父市長ブログ)。朝日新聞17日付埼玉版によると、「(県は)人命に緊急性がない」という理由で断ったとのこと。上田埼玉県知事は名うての右翼知事。崇高な使命をもつ自衛隊を雪かきごときに使えるか、ということかもしれない。(大野和興) 
 
 自衛隊派遣を要請したのは秩父市のほか本庄市、小鹿野町など県北部の自治体。秩父、小鹿野など秩父地域は名うての山間地帯で、高齢者だけの山間集落が数多くあり、孤立状態が続いている。秩父市大滝地区(旧大滝村)は林野率98%という山だけの地域で、その孤立状況は想像に余る。医者通いをしている高齢者も多く、手遅れが生命に関わる場合も多い。 
 
 朝日新聞によると、自治体からの自衛隊派遣要請を断った埼玉県の消防防災課の担当者の発言は「自衛隊は雪かきのプロではない」というものだった。恐れ多くて雪かきを自衛隊に頼めないということのように読める。 
 
 上田埼玉県知事は、県平和資料館(東松山市)の昭和史年表にある「従軍慰安婦」の記述をめぐり「従軍」の削除を求めたり、新しいれ教科書をつくる会系の歴史と公民の教科書を中高一貫校に導入したり、朝鮮学校への補助金削減を一足先に実施したりと、主に教育系で右翼ぶりを発揮していることで有名。歴史認識では相当の偏りがある人物。豪雪対策での自衛隊派遣を断った背景には、こうした知事の思想があるのではないか、という見方をする人もいる。秩父市内で何人かに自衛隊派遣要請への県の対応についてどう思うか聞いたところ、「次の選挙でもし現知事が出ても、票は入れないと答える人が少なからずいた。 


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