2014年02月18日10時42分掲載
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政治
安倍政権下の民主主義の崩壊、ブッシュ時代の米国にそっくり 落合栄一郎
私は2007年に、ブッシュ政権下のアメリカの状態について「アメリカ民主主義の崩壊」という記事を日刊ベリタに書いた。現在の日本の状況、安倍首相のやり方は、これにそっくりになってきたことを憂えている。そこで、7年前の記事を再掲載し、私たちに何が求められているのかを考えてみたい。
アメリカ民主主義の崩壊
(2007.10.25)
現状のアメリカは民主主義の崩壊としか表現しようがない。アメリカのオールタナテイヴメデイアの一つ、AlterNet2007.10.23は「大統領府によるクーデター(武力によらない)が進行しつつある」と表現している。分立した3権のうち、立法府が弱体化、司法はすでにかなり長い間骨抜きにされていて、行政府(大統領府)が思いのままに政策を進めている。過去数年のうちに国会を通った法規のうち1,000件を越すものに、大統領が付記して(殆ど大統領の恣意で)場合によっては法規に拘束されないとしている。憲法は無視、これらの国民の代表者の立法府による法規も無視し、すでに法律には規制されない絶対者に近い状態である。しかもテロなる半永久的仮想敵を作り出し、軍備拡張に忙しい。
立法府には、こういう状態を阻止するために、正副大統領の罷免権もあるし、軍事予算その他を拒否することによって行政府をしばる権限も持っているはずだが、それを行使しようとする意志は少数に過ぎず、実現しない。そして行政府のやっていることは、国民の多くの利益、意志に反することである。1ヶ月程前に、めずらしく民主/共和党が一致して立法した子供の健康保険を改善するための施策も、大統領は拒否権を発動してけってしまった。このような状態で民主主義が機能しているといえようか。
勿論、こうした状態に至るまでには、少なくとも半数程度のアメリカ国民の支持があった。アメリカ国民の多くにある「アメリカは世界一」という奢りをうまくくすぐられてここまで来てしまったのだが、イラクの泥沼には嫌気がさしてもまだ大統領を捨てきれないアメリカ人はかなりいるようだ。すなわち、草の根の国民から立法府、司法まで行政を制御できないー民主主義の基本のチェック/バランスがとれていない。
しかし、こうした状態をにがにがしく思っているアメリカ国民も少なくはない。立法府がこのように機能していないとしたら、他に何ができるのだろう。そこで浮上したのが、国民によるゼネストをというアイデアである。全国民が、一日(だけだが)、仕事を休み、通常の経済活動にも参加しないー自動車に乗らない、クレジットカードを使わない、ショッピングセンターに行かないなどなどの様々な非行動。ここには、現在の新自由主義市場経済の批判や拒否も含まれている。もしかすると実現するかも。日本ではどうだろうか。
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