2014年02月25日09時19分掲載  無料記事
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社会

破られた「アンネの日記」と国際紙

  第二次大戦中、ナチスのユダヤ人狩りを逃れるため、ドイツから家族でオランダに渡り、アムステルダムの家に隠れて暮らしていた少女、アンネ・フランク。しかし、やがて当局に潜伏先をつきとめられた彼女は収容所に入れられ、15歳で亡くなった。アンネが当時つづった日記、「アンネの日記」が東京都内の図書館で多数、ページが破り取られるなどして破損していたことが報じられた。 
 
  このニュースは世界に発信された。国際紙は日本の右傾化を報じてきたが「アンネの日記」を破損した事件は改めて欧州人に警報を鳴らすことになってしまった。 
 
  BBCのニュースサイトではイスラエルのハイファ大学の日本文化研究者Rotem Kowner氏がコメントをしている。それによると、「アンネの日記」は世界の中でも日本ではよく読まれてきた本だという。本の販売数では日本は米国に次いで2位であるそうだ。Rotem Kowner教授のウェブサイトに掲示された研究リストによると、Rotem Kowner教授は日本文化の研究者だ。その中にはアジアや日本におけるレイシズム、あるいは反ユダヤ主義の研究も含まれている。 
 
  たとえば ’The rise and fall of Holocaust denial in Japan’(日本におけるホロコーストを否定する潮流の台頭と失墜)と題する論文もある。この論文は1989年から1999年、つまり冷戦崩壊の10年くらいの期間の研究のようである。発表媒体は’Journal of Genocide Research’(「虐殺の調査」)日本語媒体でも反ユダヤ主義をウォッチしている人はKowner教授一人ではあるまい。日本語に限らず、イスラエルには世界中の言語を話せる人材がそろっている。 
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-26284614 
  戦後、ナチスの犯罪者を追究してきたサイモン・ウィーゼンタールセンターから「アンネの日記」を破損した犯人を捜査するように日本に対して要請が出されたという。このセンターを創設したサイモン・ウィーゼンタール氏は生前、アンネ・フランクは虚構の人物だ、と言ったドイツ人に対して、アンネ・フランクが実在した証拠を突きつけたことがあるとインタビューで語っていた。 
 
■Wiesenthal Center Expresses Shock and Deep Concern Over Mass Desecrations of The Diary of Anne Frank in Japanese Libraries(サイモン・ウィーゼンタールセンターは日本の図書館で起きた「アンネの日記」破損事件に驚きと深い危惧を表明) 
http://www.wiesenthal.com/site/apps/nlnet/content.aspx?c=lsKWLbPJLnF&b=8776547&ct=13663333¬oc=1 


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