2014年03月17日14時27分掲載
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橋本勝21世紀風刺画日記
216回 本を燃やすことは、次には人を燃やすことになる
ナチス・ドイツの強制収容所でたった15歳で死んでいった少女アンネ
その彼女の逃亡生活の際の日記「アンネの日記」関連の本が
図書館で多数破られていたということが発覚した
その恥ずかしく、愚劣なことをしたものに対して
激しい怒りを覚えずにはいられなかった
そしてつい先日、犯人らしき男が逮捕されたが
破った理由というのがアンネ自身の書いたものではないという
90年代のネオ・ナチのごとき噴飯ものの言い分・・・・
それはあたかもナチ・ドイツがおこなった焚書を連想させた
ヒトラーのナチス政権が気に入らない本を多量に燃やした行為は
アウシュビッツなどの強制収容所のガス室での
ユダヤ人大量虐殺へとつながったのである
まさに「本を燃やすことは、人を燃やすことになるのである」
このユダヤ人大量虐殺とならぶ20世紀に人類が犯した蛮行といえば
広島、長崎への原爆投下である
その広島での自身の悲惨な被爆体験をもとに描かれたものが
中沢啓治著「はだしのゲン」である
日本だけではなく、世界中の子どもたち、いや大人たちにも読まれている
素晴らしい漫画本を図書館で読ませないようにするという動きが
神奈川県で起きているというニュースには仰天した
それはナチの焚書の、21世紀日本における再現といっても過言ではない
「はだしのゲン」の本の中の、残酷な被爆シーンが問題にされたというより
日本の戦争での加害性が厳しく告発されていることが気にくわないようである
そのことは解釈改憲、特定秘密保護法、愛国心教育などの
最近の安倍政権の戦争できる国づくりの動きと一致するように思える
焚書が民主主義を燃やすことにつながったように
民主主義の死につながる「はだしのゲン」閲覧禁止は
絶対に許してはならないと強く思う。
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