2014年03月18日09時14分掲載
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コラム
パリの散歩道 「サウジアラビアの映画を見たよ」
年明けてから言論弾圧の法案作りが加速していると報じられているサウジアラビア。しかし、一方でこんな話も。パリのジャーナリストで翻訳家のパスカル・バレジカさんから。
「先週金曜、サウジアラビアの映画を見たんだ。ハイファ・アル・マンスール(Haifaa Al-Mansour)監督による'Wadjda'というタイトルの映画。驚いたことに、監督は女性なんだ。とても、とても興味深い。」(パスカル・バレジカ氏)
Last Friday, I saw a film from Saudi Arabia (Wadjda, by Haifaa Al-Mansour). Made by a woman ! It was very very curious.
確かにサウジアラビアと言えばイスラム教の最も厳格な国とされている。女性が家の外で働くこと自体が原則として長い間禁じられてきたとされる国である。そこで女性が映画を監督したというのだから、「ほんとかーっ」と驚くことだ。実は近年サウジアラビアには世界最大のキャンバスを誇る女子大もできている。王室の一族に女性教育に理解のある人物がいるらしく、これは上からの改革の1つだ。ただし、この映画との関係はよくわからない。
パリには「アラブ映画祭」というプロジェクトがあり、アラブの国々の映画が一斉に夏に上映されていたのを見に行ったことがある。それらの映画を見ていると、国際紙だけでは見えてこない庶民の生活や夢がわかる。パリは日本より格段にアラブの国々の映画を観る機会がある場所だ。
以下はサウジアラビアのこの映画「Wadjda」を報じているNPRのウェブサイト。(NPRは米国の非営利・公共のラジオ局のネットワーク)これによると、サウジアラビアでは女性が同行の男性なしに通りを一人で歩くことができないため、女性監督は撮影車の中に潜んでモニターを見ながら、トランシーバーからクルーに指示を出していたという。さらにサウジアラビアには映画館もないと書かれている。
http://www.npr.org/2013/09/22/224437165/wadjda-director-haifaa-al-mansour-it-is-time-to-open-up
この記事によれば主人公は10歳の少女が自分の幸せを探す物語だという。特に彼女、Wadjdaが求めているのは自転車だが、サウジアラビアでは女性が自転車に乗ることは禁じられている。
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